SPF分類
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/10 08:19 UTC 版)
SPFはSun Protection Factorの頭文字であり、紫外線のうち、UVB波を遮断する効果の程度を表す指標:38。測定法に微妙な差異はあるものの、ほぼ世界標準と言えるくらい多くの国で採用されている。紅斑、またはサンバーンと呼ばれる、肌がヒリヒリと赤くなるような炎症をひき起こすかどうかをもとに算出される:38。被験者が紅斑を引き起こす最小の紫外線量に比べ、塗布時に何倍の紫外線にまで耐えられるかがSPFの数値の根拠である:38。たとえば、紅斑が現れるまでに20分程度かかる人がSPF10の日やけ止めを塗った場合、10倍の紫外線量を20分浴びて、ようやく紅斑が認められるということを意味する。重要なのは10倍の時間(この場合200分)紫外線にまで耐えられるという意味ではない。それは前述のとおり、塗布された日やけ止めは時間と共に失われるからである。 ヒトの皮膚の色の変化を目視によって確認するという手法の性質上、値とともに誤差が増大するものであり、特に高SPF値の製品同士の実際の能力差(例えばSPF55とSPF60の差)が数字通りあるかどうかは疑わしいという考え方がある。そのため、日本ではSPF50を超える能力が有意に認められる場合はSPF50+と表記することになっている。 日焼け止め効果の客観的な指標として、1960年代に疑似太陽光を光源とした指標が報告され、1978年にFDAが測定法の案を発表し、日本で1980年には当時の表現でサンケア指数を表示した日焼け止めが資生堂から発売された。各メーカー独自に測定され問題が多いと指摘され、日本化粧品工業連合会の専門委員会が1992年にガイドラインを作成した。メーカーは、高いSPFを目指し1991年に最高SPF20が最高だったものが1998年には100を超えるようになり、紫外線に敏感な人でも通常の環境で1日中太陽光にさらされても日焼けしないためにはSPF50であれば十分とされ、赤道直下など赤外線の強い地域へ行く人のためにより効果が高いSPF50+が考えられた。比較やメーカーの測定費用の国際統一が望まれ、2003年には欧州、日本、南アフリカで共通のSPF測定法ができ、2010年にはISO国際規格となった。米国ではSPF50を最大とする表記は採用されていない。
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