RIG-Iとは? わかりやすく解説

リギ‐さん【リギ山】

読み方:りぎさん

《Rigi》スイス中部ルツェルン州とシュウィーツ州にまたがる山。標高1797メートル。フィアワルトシュテッター湖とツーク湖を望む展望地として知られる1871年ヨーロッパ最古登山鉄道フィッツナウリギ鉄道開通山麓フィッツナウ山頂を結ぶ。

リギ山の画像
中央がリギ山塊。左はフィアワルトシュテッター湖/撮影M M https://goo.gl/oEbr2a
リギ山の画像
リギ山から望むフィアワルトシュテッター湖/撮影Stephanie Kroos https://goo.gl/PkMzBh
リギ山の画像
リギ山から望むツーク湖撮影tomislav medak https://goo.gl/X0IG35

RIG-I

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/03/17 10:10 UTC 版)

RIG-Iの一部と二本鎖RNAの複合体の構造。中心の黒色が二本鎖RNAで赤色がC末端側の抑制ドメイン(RD)、他がヘリカーゼドメイン

RIG-I(英:retinoic acid-inducible gene-I)はヒトの自然免疫系で働くタンパク質の分子。ウイルスが細胞内に進入した時にウイルス由来のRNAを認識し、抗ウイルス作用を示すI型インターフェロン産生の誘導を引き起こす、細胞質内に存在するRNAヘリカーゼである。京都大学藤田尚志教授らによってその機能が明らかにされた。

蛋白質の機能

レチノイン酸によって誘導されるRIG-Iはインターフェロンやウイルス感染によってもそのmRNAの発現が誘導される。N末端領域に二つのCARD (caspase recruitment domain) 様のドメインを持ち、中央にヘリカーゼドメイン、C末端のドメイン(repressor domain: RD)はN末端のCARD様ドメインの働きを抑制する機能をもつことが知られている。ウイルス由来のと5’末端がリン酸化された平滑末端をもつ二重鎖RNAはc末端ドメイン(CTD)によって認識され、RNAと結合すると、蛋白質の構造変化が起こり、C末端による抑制がはずれ、N末端のCARD様ドメインが活性化し、下流のIPS-1分子にシグナルを伝えることでI型インターフェロンの産生を誘導する。また、CARD様ドメインの活性化にはTRIM25と呼ばれるユビキチンリガーゼによるK63を介したポリユビキチン化が必要であると報告されている。  また、東京大学の谷口教授らのグループはDAI分子だけでなく、RIG-IもB型DNAを直接結合し認識すること、この認識が、単純ヘルペスI型ウイルス感染時のI型インターフェロン産生に必要であると報告している。また谷口教授らはRIG-IがウイルスのRNAやDNAを認識するさいにはHMGB蛋白質が必要であることを報告している。

仲間の蛋白質

RIG-Iと高い相同性を示すRNAヘリカーゼとしてMDA5とLGP2が存在する。RIG-Iと同様に自然免疫系で働くTLR分子の呼称にちなんで、RIG-I,MDA5,LGP2の三つのRNAヘリカーゼを「RLR(RIG-I like Receptor)」或いは、「RLH (RIG-I like helicase)」と呼ぶ。

ウイルスとのかかわり

RIG-Iによって認識されるRNAウイルスとして、インフルエンザウイルスセンダイウイルス日本脳炎ウイルス、水痘・帯状疱疹ウイルスC型肝炎ウイルスフィロウイルス西ナイルウイルス麻疹ウイルス狂犬病ウイルス風疹ウイルス等がある。また、ピコルナウイルスに属するマウスのEMCVは、MDA5によって認識される。

また、RIG-Iは、RNAウイルスの生産する二本鎖RNAを認識する。なお、通常のヒト細胞中には二本鎖RNAは存在しないので[1]、もし細胞内に二本鎖RNAが存在するならこれは何らかの異常事態に由来するものであることになる。なお、TLR3やMAD5(melanoma differentiation-associated gene 5[1]) など別のレセプターも二本鎖RNAを認識する[2]

マウスのRIG-I

RIG-I遺伝子のノックアウトマウスの多くは胎生致死であり、ごくわずかだけ生まれるがすぐに死亡する。胎内で死亡する理由としては肝臓の発達異常に由来する。

しかし、近年、別のRIG-Iノックアウトマウスでは発生の異常は存在しないことも報告されている。この場合は大腸炎を発症する。

進化

近年のゲノムプロジェクトからRIG-Iは哺乳類特有の分子であると考えられている。一方、同じRLRに属するMDA5とLGP2はでもそのESTが報告されている。

脚注

  1. ^ a b 中込治・神谷茂 共著『標準微生物学』医学書院、2016年1月15日 第12版 第2刷、24ページ
  2. ^ 宮坂昌之ほか『標準免疫学』、医学書院、2016年2月1日 第3版 第2刷、67ページ

リギ山

(RIG-I から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/08/21 03:39 UTC 版)

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リギ山
ラウエルツ湖とリギ山
最高地点
山頂 リギ・クルム
標高 1,797.5 m (5,897 ft) [1]
プロミネンス 1,290 m (4,230 ft) [1]
アイソレーション 13.1 km (8.1 mi) [2]
座標 北緯47度03分24秒 東経8度29分08秒 / 北緯47.05667度 東経8.48556度 / 47.05667; 8.48556座標: 北緯47度03分24秒 東経8度29分08秒 / 北緯47.05667度 東経8.48556度 / 47.05667; 8.48556
地形
リギ山
スイス
シュヴィーツ州
ルツェルン州
所属山脈 スイスアルプス
登山
最容易
ルート
リギ鉄道ケーブルカー
プロジェクト 山

リギ山(リギさん、Rigi)は、フィアワルトシュテッテ湖(ルツェルン湖)、ツーク湖ラウエルツ湖に囲まれた中央スイス地方の山塊。最も高い山は、リギ・クルム Rigi Kulm で、標高約1797m。スイス中央部のルツェルン州シュヴィーツ州にまたがっている。ラテン語で “Regina Montium(山の女王)”と呼ばれたことがその名の由来になっている[3]

概要

旧スイス連邦の中心に描かれたリギ山(アルブレヒト・フォン・ボンシュテッテン作、1479年

リギ山は大きく西北、中央、東南の3つの山塊に分けられる。

西北の山塊には最高峰のリギ・クルム峰があり、ロートシュトック峰、リギ・シュタッフェルホーエ峰が連なる。

中央の山塊は西北と繋がっているが、リギ・シャイデック峰やドッセ峰が連なり、ルツェルン州のフィッツナウとシュヴィーツ州のゲアザウに挟まれたフィッツナウアーシュトック峰(別名ゲアザウアーシュトック峰)も並んでいる。

東南の山塊は、リギ・ホッホフルー峰を最高峰に、ゴッテアリ峰などが連なる長い尾根が伸びて、シュヴィーツ市ゼーヴェンまで至っている。

専門的には、リギ山はアルプスに属するのではなく、スイス高原の一部分である。アルプスに特徴的なビュンドナー片岩やフリッシュとは対照的に、モラッセやその他の礫岩から構成されている。

リギ山はいくつもの町に囲まれている。シュヴィーツ州シュヴィーツ郡シュヴィーツ市ゼーヴェンから時計回りに、インゲンボール市ブルンネン、ゲアザウ郡ゲアザウ、ルツェルン州ルツェルン郡フィッツナウヴェッギス、グレッペン、シュヴィーツ州キュスナハト郡キュスナハト、インメンゼー、シュヴィーツ郡アルト市アルト、オーバーアルト、ゴールダウ、シュヴィーツ郡ラウエルツである。

峰の名 標高 所在地
リギ・クルム(Rigi Kulm) 1,797.5m シュヴィーツ州
ロートシュトック(Rotstock) 1,658m ルツェルン州・シュヴィーツ州境
ドッセ(Dosse) 1,684m ルツェルン州・シュヴィーツ州境
シャイデック(Scheidegg) 1,658m シュヴィーツ州
フィッツナウアーシュトック(Vitznauerstock ルツェルン州)
ゲアザウアーシュトック(Gersauerstock シュヴィーツ州)
1,452m ルツェルン州・シュヴィーツ州境
リギ・ホッホフルー(Rigi Hochflue) 1,698m シュヴィーツ州

リギ・クルム峰

1906年のリギ山からの絵葉書。リギクルムホテルも描かれている。

リギ・クルム峰: Rigi Kulm)はリギ山の最高峰で、標高1,797.5 m もしくは 5,897 ft。眺望はフランスドイツまで視界に入り、北にチューリッヒ州とエーゲリ湖、ラウエルツ湖ツーク湖を望み、北東に湖の点々とするスイス平原とシュヴァルツヴァルトおよびヴォージュ山脈を望み、南に雪をかぶったアルプス山脈を望む。

山頂付近にあるリギ・クルム・ホテルは1816年8月6日開業で、スイス国内最初の山岳ホテルであり、2016年に開業200年を記念した。レストランを併設している。

山頂付近までラック式鉄道リギ鉄道が走っており、リギ・クルム駅がある。フィッツナウ・リギ線とアルト・リギ線が乗り入れている。少し下った隣駅のリギ・シュタッフェル駅で両線が合流しており、駅からの眺望もすばらしい。リギ・シュタッフェルを挟んで反対側に、ロートシュトック峰がある。

ロートシュトック峰

ロートシュトック峰: Rotstock)は、標高1,658 m もしくは 5,440 ftで、リギ・クルム峰からきれいに見下ろすことができる。リギ・シュタッフェルから歩いてロートシュトック・ベンクリに上がると、ルツェルン湖やスイスアルプスを見渡すことができる。ルツェルン州シュヴィーツ州の州境となっている。

少し下りた西側にリギ鉄道フィッツナウ・リギ線のリギ・シュタッフェルホーエ駅があり、そこから峰の南側にさらに下ると、リギ・カルトバートのリゾートがある。

リギ・シャイデック峰

ゴールダウから見たシャイデック。
1890年代のシャイデック。山頂ホテルが見える。
1890年代のシャイデックからの景色。オーバーラント・アルプス方向。

シャイデック峰: Scheidegg)は、標高1,658 m もしくは 5,440 ft。北側にシュヴィーツ州のゴールダウを見渡すことができ、南側にはゲアザウとルツェルン湖を望むことができる。東に約160mのところに、リギ鉄道ケーブルカーのリギ・シャイデック駅がある。

山頂には2つのケーブルカーが向かっている。一つはリギ鉄道のクレーベル・リギシャイデック線(Luftseilbahn Kräbel–Rigi Scheidegg、LKRS)であり、北側の斜面でリギ鉄道アルト・リギ線(ARB)のクレーベル駅との間を結んでいる。もう一つはオーバークシュヴェント・リギブルクガイスト線(Luftseilbahn Obergschwend–Rigi Burggeist、LORB)であり、南側の斜面で山麓のゲアザウ市のオーバークシュヴェント駅との間を結んでいる。かつてリギ・カルトバートとシャイデックを結んでいたリギ・カルトバート・シャイデック鉄道の線路跡を歩くこともでき、カルトバートやリギ・クレシュテアリまで東西に山腹を見ながら歩くことができる[4]

シャイデックの山頂は、かつて1830年に建てられた大きなホテルがあった。第一次世界大戦により観光客が減り、観光の形態も宿泊旅行から日帰り旅行に変化したため、ホテルは休業し、最終的に第二次世界大戦中の1943年1944年に廃業した[5]

ドッセ峰

ドッセ峰: Dosse)は、標高1,684 m (5,525 ft)。シュヴィーツ州ルツェルン州の州境にあり、ルツェルン州に入っているリギ山の峰の中では最高峰である。峰からはフィッツナウの町とルツェルン湖が見渡せる。200m北西には標高が1,669 m (5,476 ft)とわずかに低いクリ・ドッセ峰(Chli Dosse)がある。

フィッツナウアーシュトック峰/ゲアザウアーシュトック峰

フィッツナウアーシュトック峰: Vitznauerstock)あるいはゲアザウアーシュトック峰: Gersauerstock)は、ルツェルン州シュヴィーツ州の州境が通っており、ルツェルン州のフィッツナウとシュヴィーツ州のゲアザウの間に聳える。フィッツナウ側から見た名称がフィッツナウアーシュトックであり、ゲアザウ側から見た名称がゲアザウアーシュトックである。標高1,452mで、フィッツナウからはフィッツナウ・ヒンターベルゲン線ケーブルカー(Luftseilbahn Vitznau-Hinterbergen)に乗れば峰の北側のヒンターベルゲンに到着して登山道フェルミーゼックを歩くことができ、ヴィッシフルーロープウェイ(Seilbahn Wissifluh)に乗れば峰の西側のヴィッシフルーに到着してウルミ通りを歩くことができる。

リギ・ホッホフルー峰

ホッホフルー峰とルツェルン湖

リギ・ホッホフルー: Rigi Hochflue)は、ウルミベルク山脈の西の山頂で、南にルツェルン湖、北にラウエルツ湖を見渡すことができる。標高1,698メートル (5,571 ft)で、シュヴィーツ州に属する。

ゴッテアトリ峰

ゴッテアトリ峰: Gottertli)は、ウルミベルクの中心的存在であり、標高1,395 m (4,577 ft)。ブルンネンの町を見下ろし、各州やアルプス渓谷を見渡すことができる。フロンアルプシュトック山、ミューテン山、ウーリ湖などを見ることができる。ブルンネンからケーブルカーでティンペル駅まで上がり、そこから歩いてゴッテアトリに登ることができる。また、ゲッテアリ峠から登る経路もある。

歴史

スイスの山岳観光の人気が高まった19世紀には、ヨーロッパ各国から王侯貴族や芸術家が訪れた。1816年にスイス初の山頂ホテルとして、リギ・クルムにホテルが建てられた(その後ホテルは取り壊され、現在は新しく山岳ホテルに建て替えられている)。リギ山からのご来光は特に人気を博し、文豪マーク・トウェインもこの山を絶賛した。画家のターナーは、リギ山のシルエットに創意をかき立てられ、様々な時刻や天候、方角のもとでのリギ山を描いている[6]

1871年に麓のフィッツナウからヨーロッパ最古の登山鉄道(リギ鉄道)が開通。1873年に日本の岩倉使節団もリギ山を訪れている。1875年には反対側のアルト・ゴルダウからも登山鉄道が開通した。リギ・クルムからは、中央スイス地方アルプスをはじめ、グラールスやベルナーオーバーラントの山々が連なる景観を眺めることができる。スイス中央部に位置する観光都市、ルツェルンからも近い。

リギ山の山腹にあるリギ・カルトバートでは、効能の優れた鉱泉が湧き出ており、夏はハイキングの拠点となっている。2012年にはスイス人有名建築家、マリオ・ボッタのデザインした新しいスパセンター「ミネラルバート&スパ リギ・カルトバート Mineralbad & Spa Rigi-Klatbad」が完成した。

アクセス

リギ・クルムへ上がる方法は、アルト・ゴルダウから登山鉄道を利用、ルツェルン湖畔のフィッツナウから登山鉄道を利用、ルツェルン湖畔のヴェッギスからトップウェイでリギ・カルトバートに上がり、登山鉄道に乗り換える方法の3通りがある。

登山鉄道やケーブルカーは、リギ鉄道が運行している。アルト・ゴルダウからの標準軌登山鉄道はアルト・リギ線(ARB)、フィッツナウからの登山鉄道はフィッツナウ・リギ線(VRB)、ヴェッギスからのケーブルカーはヴェッギス・リギカルトバート・ケーブルカー(LWRK)である。さらに、クレーベル・リギシャイデック(LKR)、オーバークシュヴェント・リギブルクガイスト(LORB)キュッシュナハト・ゼーボーデンアルプ(LKüS)、フィッツナウ・ヒンターバーゲン(LVH)、フィッツナウ・ヴィッシフルー(LVW)、ブルンネン・ウルミベルク(LBU)の6つの小規模ケーブルカーもすべてリギ鉄道が運行している。

ルツェルンからアルト・ゴルダウまでは鉄道が、フィッツナウとヴェッギスには湖船が通じている。

風景

脚注

[脚注の使い方]
  1. ^ a b スイス地形図による。
  2. ^ Google Earth による。
  3. ^ 『世界で一番美しい山岳鉄道』エクスナレッジ、2015年、42頁。ISBN 978-4-7678-2045-3
  4. ^ Rigi Panorama Trail”. rigi.ch. RigiPlus AG/Rigi Bahnen AG. 2016年10月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年10月6日閲覧。
  5. ^ Rigi” (German). Historical Dictionary of Switzerland (2012年1月3日). 2016年10月5日閲覧。
  6. ^ 荒川裕子『もっと知りたいターナー 生涯と作品』東京美術、2017年、71頁。 ISBN 978-4-8087-1094-1

出典




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