インターフェロン放出までのシグナル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/30 09:54 UTC 版)
「I型インターフェロン」の記事における「インターフェロン放出までのシグナル」の解説
I型インターフェロンの発現は主としてウイルスが作る2本鎖RNA(dsRNA)をエンドソーム内のTLR3や細胞中のRIG-IやMDA5が認識することにより誘導される。TLR3は病原体のタイプを認識するToll様受容体(Toll-like receptor)の1つでエンドソームの膜上に存在し、2本鎖のRNAを認識するとアダプター分子のTRIFを介してインターフェロン制御因子(interfron regulatory factor: IRF)の1種であるIRF3とIRF7を活性化する。ただ、ウイルスのRNAの合成は細胞質内で行われるのでエンドソーム上に受容体があるよりも細胞質内にウイルスRNAを感知できる分子があった方が合理的である。実際そのような役割を担っているのがRIG-I(retinoic acid-inducible gene-I)とMDA5(melanoma differentiation-associated antigen 5)である。これら2つの分子はともに2本鎖RNAに結合するためのRNAヘリカーゼ様ドメインと次の分子にシグナルを伝えるためのCARDドメインを持つ。RIG-IやMDA5が2本鎖RNAに結合すると同じCARDドメインを持つCARDIF(CARD adaptor inducing IFN-β)を介してIRF3やIRF7を活性化しインターフェロンα、インターフェロンβの産生を促す。
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