NPOバンク設立とNPOバンクフォーラム
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「NPOバンク」の記事における「NPOバンク設立とNPOバンクフォーラム」の解説
広義のNPOバンクを含めれば1960年の日本共助組合設立、1969年の岩手信用生協設立も歴史に盛り込むべきだが、ここでは狭義のNPOバンクに限定して述べる。 NPOバンクの嚆矢は1994年の未来バンク事業組合設立とされている。未来バンク事業組合は市民団体「フォーラム21」の活動を契機として、市民運動家の田中優らが中心となって設立した。田中優はその著『どうして郵貯がいけないの』(北斗出版)において、郵貯の資金が財政投融資として無駄な公共事業に流れていることを批判し、資金の流れを変えることで社会・環境を変える必要性を説いた。その具体的な試みとして、環境にやさしい事業に融資する未来バンク事業組合を設立し、趣旨に賛同する一般市民からの出資を得てNPOなどへの融資を始めた。 他方、神奈川の生活クラブ生協、ワーカーズコレクティブ(W.Co.)運動の発展を背景として、ワーカーズコレクティブをはじめとする市民事業が資金難にあえいでいたことから、市民事業に融資する信用組合を設立しようとする動きが現れた(女性・市民信用組合(WCC)設立準備会の設立)。しかし、監督官庁(当時)の神奈川県当局は容易に設立を認めなかったため、WCCは当面、貸金業者として市民事業への融資を始めることとした(1998年)。 その後、北海道NPOバンク(2002年)、東京コミュニティパワーバンク(2003年)、ap bank(2003年)、NPO夢バンク(2003年)と設立が相次いだこともあり、2004年には札幌市で第1回の全国NPOバンクフォーラムが開催された。さらに翌2005年には、新潟コミュニティ・バンクとコミュニティ・ユース・バンクmomoが設立され、東京で第2回全国NPOバンクフォーラムが開催されている。 2005年には証券取引法改正(現:金融商品取引法)に伴うNPOバンクへの影響が懸念されるようになり、この証券取引法改正問題に対処するため全国NPOバンク連絡会が結成された。また、翌2006年には貸金業規制法改正(現:貸金業法)に伴うNPOバンクへの影響が浮上した。2008年に東京で開催された第3回全国NPOバンクフォーラムでは貸金業法問題が大きくクローズアップされた。
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