広義のNPO
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/15 15:45 UTC 版)
広義のNPOは、利益の再分配を行わない組織・団体一般(非営利団体)を意味する。この場合の対義語は営利団体、即ち会社(会社法による)などである。この意味では、社団法人や財団法人、医療法人、社会福祉法人、学校法人、宗教法人、中間法人、協同組合、果ては地域の自治会なども広義の NPO である。法令に定められた各種法人格を持つものにあっても、行う事業あるいはその組織・団体自体を維持するために収益を上げることに制限はない。有給・無給の専従職員を置く団体も数多い。 アメリカに於いて制定された内国歳入法典に "NPO" という呼称が使われた事から、この言葉が広まったとされる。1960年代の公民権運動がNPO活動の発展に火を付けた。元々「小さな政府」として成立しているアメリカでは、市民の自発的な非営利活動によって市民社会をより良い環境に構築して行く必要性があり、各州の法律によって非営利団体の活動は保護また規定されている。例えば、ウィキペディアを運営する "Wikimedia Foundation" は、フロリダ州法に基づく非営利団体である。ほとんどの財源は民間や個人の寄付金によって賄われ、一般的な認識としては市場経済の一員である。 北欧では、スウェーデンの 1809年憲法に明記された近代的オンブズマンが起源である。憲法に記載されていることから分かるように、れっきとした行政機関である。財源は原則として福祉国家から拠出されるため、政府の代理人という性質を持つ。 フランスでは、1901年法という法律に基づいて設立された結社(アソシアシオン association)が、日米でいうところの NPOと類似の活動を行っている(社会福祉目的の他、スポーツ・文化活動など)。長い伝統に基づき、どこにも属さない市民社会の中核として活動している。
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