MOLLEの歴史
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/26 18:34 UTC 版)
「MoLLE System」の記事における「MOLLEの歴史」の解説
MOLLEの構想は、1994年にアメリカ国防総省が、ALICEパックに代わる個人装備を快適に運搬するためのシステムを検討し始めた頃に生まれた。 1996年、兵士に聞き取り調査を行い、拡張性と耐久性があり、快適さも兼ね備えたロードキャリングシステムの開発プロジェクトが発足し、MOLLEのプロトタイプが開発される。 そのプロトタイプは、ハワイの第25歩兵師団の兵士による6ヶ月間のテストで、高評価を受ける。 小修正を加えられたMOLLEシステムは、1997年にアメリカ陸軍に導入され、2001年のアメリカ同時多発テロ事件がきっかけになって、一般にも広く知られるようになる。2001年9月11日の攻撃後まで広範囲にわたる問題は見られず、まずは アフガニスタンとその後イラクに駐留する米軍によって使用された。MOLLEシステムに対する初期の批判は、特に陸軍から現れる。批判の多くは対荷重パックとフレームに集中しており、外部のプラスチックフレームが壊れやすく、フィールドで破損する可能性があるというもので、その後改善された。またジッパーは内容物をいっぱいに詰めると破裂する傾向があった。またパックのストラップは、かさばるボディアーマーと併用するために充分な長さがなかった。さらに、このシステムの第1世代は、フレームとリュックサックベルト(それ自体がMOLLEベストのウエストベルトを兼ねた)をボールとソケットで連結するインターフェースを利用していた。この方式では、フレームに取り付けられたボールがウエストベルトのソケットから外れやすく、むき出しになったボールが使用者の腰を直接圧迫して負傷させる事例が多発した。その後のSDS MOLLEの再設計により、この問題点が解消され、ベスト(FLC)とリュックサック・フレームはそれぞれ独立した非一体型アイテムとなった。 現在ではMOLLEを元に、派生する新しいシステムも開発されており、ミリタリー関係以外のメーカーでもMOLLE技術を応用し、アウトドア用品などに取り入れることで、一般にも普及している。 なお、MOLLEとPALSは、同じ意味で使われることが多く、MOLLEシステムに対応し、モジュラーアタッチメント方式を採用しているシステムは、一般的にすべて、MOLLEシステムと呼ばれている。 MOLLEの横ウェビングは縫い付けのコスト、重量増加の原因となるため、様々な後発の互換品があり、次にその事例を挙げる。 ・横ウェビングを縫い付けずに、ラミネートされた生地に細長い・もしくは四角い穴をあけウェビング替わりとし耐久性を確保、今までのMOLLEシステムポーチを取り付けられるようにしたMOLLEminus(モールマイナス)システム。 ・同じくラミネートされた布地に6角形の穴をあけ、装着方向を増加させた、ヘックスグリッドシステム。 ・横長の穴をあけ、MOLLE、MOLLEminusと同じく縦ウェビングを通す6/9 Modular Poket Technology ・縦ウェビングの代わりにフック&ループ(ベルクロ)で生地の裏側から装着する6/12 Modular Poket Technology
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