MDM が出来ていない例題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/02 04:58 UTC 版)
「MDM」の記事における「MDM が出来ていない例題」の解説
・データ反映 例 社員Aさんが営業部から業務部へ、部署を移動した。 人事部で扱うAさんのデータ→[業務部 Aさん](データ反映済み) 営業部で扱うAさんのデータ→[管理部 Aさん](データ反映したが間違えた) 経理部で扱うAさんのデータ→[営業部 Aさん](データ反映し忘れ or データ反映が遅れている) Aさんの部署データを見る場合、どのデータベース(システム)を見ても、本来は全て[業務部 Aさん]でなくてはならないのに、データの乖離が起きている。 データ自体の間違いによる問題発生もあるが、1つのデータ変更作業を、複数のデータベース・システム・部署に渡って更新作業を行わなくてはならず、非効率である。 ・データ重複 例 顧客の[山田 花●様]から注文と入金があったので、お客様の各種情報(名前、住まい、電話番号、携帯番号、取引履歴、契約)を調べようとした。 Aデータベース内の[山田 花●様]: 鈴木 花●、東京住まい、03-0023-45XX、090-0012-34XX、取引履歴0件、契約0件。 Aデータベース内の[山田 花●様]: 山田 花●、大阪住まい、06-0023-45XX、090-0012-34XX、取引履歴3件、契約0件。 Aデータベース内の[山田 花●様]: 山田 花●、大阪住まい、06-0023-45XX、090-5678-90XX、取引履歴5件、契約3件。 同じデータベースを参照しているにも関わらず、同じ顧客データが重複して複数登録されてしまっており、どれが最新でどれが正しいのかが、すぐに分からない。 また、重複している事自体を認識せずに対応した場合、本来反映すべきでないデータにデータ対応してしまうなど、サービス品質自体にも問題が発生してしまう。 特に結婚などで名前が変わってしまっている場合や、引っ越しで住所や電話番号が変わってしまっている場合、同一人物なのに別人物として扱われてしまう危険がある。 (消えた年金記録問題などは、上記例題のような問題が一因となっている) ・コード体系 例 仮に顧客から見積依頼や注文があり、商品コードから商品Aの在庫を調べようとする。 東京事業所で扱う製品Aの商品コード:SYOHIN-00001A 大阪事業所で扱う製品Aの商品コード:SYOHIN-00100A 香港事業所で扱う製品Aの商品コード:Product_0001A 商品コード体系がバラバラのため在庫を正確に調べられず、機会損失したり、納品遅れしたり、在庫があるのに商品を再調達・製造して無駄が発生したりする。 ・同音異義語 例 営業部門が取り扱う[取引先]→[お客様]という意味の取引先。 調達部門が取り扱う[取引先]→[仕入先]という意味の取引先。 経理部門が取り扱う[取引先]→[請求先]という意味の取引先。 [取引先]と同じ言葉を使っているにも関わらず、部署やデータベースによって意味が異なってしまっている。 ・異音同義語 例 営業部門が取り扱う[商品]→[商品]という意味。 調達部門が取り扱う[物品]→[商品]という意味。 経理部門が取り扱う[製品]→[商品]という意味。 部署やデータベースによって[商品][物品][製品]と違う言葉を使っているにも関わらず、実は同じ意味で利用している。 ・データ型(データベースにおけるデータの扱い方法)の相違例 A商品(税抜き¥9,980)から、税込みの合計金額を求める。 営業部門が取り扱うA商品の[税込み合計金額]→ ¥10,778(日本円管理、小数点切り捨て) 業務部門が取り扱うA商品の[税込み合計金額]→ 10778(数値管理、小数点切り捨て) 経理部門が取り扱うA商品の[税込み合計金額]→ ¥10,778.40(日本円管理、小数第2位まで管理) 元データ自体は同じだが、データベース内[税込み合計金額]のデータ型によって、データ表示のされ方や数値結果が異なってしまう。 ・桁数(データベースにおけるデータ桁数)の相違例 営業部門が取り扱う社員Aさんの[従業員番号]→12345 経理部門が取り扱う社員Aさんの[従業員番号]→012345 人事部門が取り扱う社員Aさんの[従業員番号]→0012345 社員Aさん(従業員番号12345)のデータ自体は同じだが、データベース内[従業員番号]の管理方法によって、同じデータでも桁数が異なってしまう。 ・名前付け基準の相違例 営業部門が取り扱う商品[ABC]→ABC Version 2.0 Professional 32bit Workstation 業務部門が取り扱う商品[ABC]→ABC バージョン2.0 プロフェッショナル 32ビット ワークステーション 経理部門が取り扱う商品[ABC]→ABC 2 Pro 本来は同じ商品[ABC]を扱っているのに、名前付けの基準や運用がバラバラで、商品名が統一されていない。
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