KCIAと韓国系ヤクザ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/09 02:51 UTC 版)
「金大中事件」の記事における「KCIAと韓国系ヤクザ」の解説
事件後しばらく経ってから、警視庁は事件にKCIAが関与していたと発表。捜査員は、ホテルの現場から金東雲・駐日本国大韓民国大使館一等書記官(変名で本名は金炳賛〈キム・ピョンチャン〉)の指紋を検出し、営利誘拐容疑で出頭を求めたが、東雲は外交特権を盾に拒否。東雲はKCIAの東京での指揮官と見られていた人物で、逃走に使われた自動車は在横浜副領事のものであった。日本国政府は東雲に対しペルソナ・ノン・グラータを発動、間もなく外交特権に保護されて大韓民国に帰国した。 警視庁によると「少なくとも4つのグループ、総勢20人から26人が事件に関与した」と公表している。アメリカ合衆国の『ファーイースタン・エコノミック・レビュー』の記事によると「朴正煕と関係の深かった、韓国人ヤクザの町井久之(鄭建永〈チョン・ゴンヨン〉山口組系東声会会長)が、ホテルのフロアをほとんどすべて借り切り、KCIAに協力した」と掲載した。「ニューズウィーク」東京支局長バーナード・クライシャーは、アメリカ合衆国の本社に「町井久之はKCIAと緊密に行動を共にし事件の背後にいた。しかし日本のどの新聞もこのことを取り上げない。それは町井の組が自分達を誹謗する者を、(日本人でさえ)拷問し殺すことさえ厭わないからだ」との記事を送っている。 韓国政府が、金大中を中傷する情報を日本の新聞社に流す役割をしていた柳川次郎(梁元錫〈ヤン・ウォンソク〉山口組系柳川組組長)も関与。日韓関連の著書が多いジャーナリスト五島隆夫によると「柳川は日本の暗黒街の他の人物と同様に、児玉誉士夫(自民党の後援者・右翼の黒幕)を通じて韓国政府と接触をとった」という。 また、元陸上自衛隊3佐で、陸上幕僚監部第二部別班などを経て退官後に興信所を営んでいた坪山晃三にも、拉致設定の依頼が金東雲からあったが、愛国心から坪山は拒否し、当時の内閣官房副長官後藤田正晴から、しばらく身を隠していろと忠告され、伊豆半島に潜伏していた。
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