IPコードとは? わかりやすく解説

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アイピー‐コード【IPコード】

読み方:あいぴーこーど

International Protection code日本産業規格JIS)および国際電気標準会議IEC)で定められ電気機器などの防塵防水性能についての指標。→アイ‐ピーIP) →アイ‐ピー‐エックスIPX


IPコード

読み方アイピーコード
【英】IP Code, International Protection Code

IPコードとは、電子機器保護等級(すなわち防塵防水性能)示す数値および表示体系のことである。スマートフォンウェアラブルデバイスといったモバイル端末耐久性水準を示す値として参照されることが多い。

IPコードは防塵性能を示す数値防水性能を示す数字左右に一桁ずつ並べてIPXX」の形で示される。たとえば「IP67」といった形である。防塵性能のみ示す場合は「IP6Xのような形で、防水性能のみ示す場合は「IPX7のような形で示すこともできる

防塵性能は0~6の7段階評価され防水性能は0~8の9段階で評価されるどちらも「0」は特に保護されていない状態である。

防水性IPX8最高水準位置づけられるが、IPX8相当は性能測る試験方法具体的に規定されていない。そのため、見方によってはIP67防塵防水性能最高水準見なすこともできなくはない


IPコード(International protection code)

機器外郭筐体)に対す固体水の保護等級IP##(IPと2桁の数字で表される等級範囲は第1個体):0~6、第2(水):0~8がある。


電気機械器具の外郭による保護等級

(IPコード から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/21 04:05 UTC 版)

電気機械器具の外郭による保護等級JIS C 0920)とは、日本工業規格で規定された防水や防の程度についての等級。家電品のカタログや説明書などに「JIS保護等級」と記載される場合、この内の防水に関する等級を指す場合が多い。この等級を製品等に表記するには、規定に従った試験を通過しなければならない。

2003年に行われた改定によって、国際電気標準会議にて標準化されているエンクロージャによる保護等級Degrees of protection provided by enclosures(IP Code)/IEC 60529)と統一化が図られ、それ以前まで使用されていた保護等級に関しての規定は削除された。ただし、旧規定もIEC規約にのっとって策定されているものであるため、検査手順など細かい点で差異はあるものの大枠では同一のものである。

IPコード

IPコードとは、規定されている保護等級やそれに付随する付加的事項をコード化したものである。Ingress Protectionを表す「IP」で始まる4文字から6文字で記載される。

例えば「IP68」と記載されている場合、第一特性数字である「6」は固形物に対する保護等級を、第二特性数字である「8」は水に対する保護等級を示している。また、どちらかの保護等級を省略する場合は「X」を記載する。「省略される=無保護」ではないところに注意が必要である。

水に対する保護等級の一部では、単純に検査項目間の上位・下位が区別できないため、複数の項目に合格しているという意味で「IPX5/IPX8」のように表示される場合がある。

外来固形物に対する保護等級

いわゆる「防塵」についての保護等級である。6級以外は何らかの固形物が内部に侵入することになる。

保護等級 内容
0級 特に保護がされていない
1級 直径50mm以上の固形物が中に入らない(握りこぶし程度を想定)
2級 直径12.5mm以上の固形物が中に入らない(指程度を想定)
3級 直径2.5mm以上のワイヤーや固形物が中に入らない
4級 直径1mm以上のワイヤーや固形物が中に入らない
5級 有害な影響が発生するほどの粉塵が中に入らない(防塵形)
6級 粉塵が中に入らない(耐塵形)

水の浸入に対する保護等級

防水性能の指標は"IPX"で表される。本来"IP"の後に続く3文字目で防塵性能の指標を表すが、ここに"X"を入れて防塵性能での指標ではないことを表し、防水性能での指標としている。

水に対する耐性レベルについては、IPX0からIPX8までの9段階が存在し、IPX0は水に対する保護がない状態を表す。0-7まではそれぞれが規格によって試験方法が規定されている。IPX8は「IPX7より厳しい試験条件」という規定があるだけで試験条件は存在しないため、IPX8は実際にはメーカーの独自規格となる。

IPX0からIPX6までは、何らかの内部浸水が発生する可能性があるが必ず浸水するという訳でもなく、逆にIPX7やIPX8であっても規格としての防水性能を示すだけで、突発不良や劣化、操作不良など事故の発生を排除するものではない。

IPX7、IPX8は「一定の水中に沈めた状態」という潜水に対する防水性能を示すだけであり、IPX5、IPX6で実施される「噴流水」のような強い短時間の水圧に対する防水性能とは異なることが想定される。このため、潜水と噴流のそれぞれに対する防水性能を表すために"IPX5/IPX7"というように2つのIPコードが並べて表示されることが多い[1]

なお内容欄に記載された形名は旧規定に記載されていたものであり、現在は削除されている。

保護等級 内容
0級 特に保護がされていない
1級 鉛直から落ちてくる水滴による有害な影響がない(防滴I形)
2級 鉛直から15度の範囲で落ちてくる水滴による有害な影響がない(防滴II形)
3級 鉛直から60度の範囲で落ちてくる水滴による有害な影響がない(防雨形)
4級 あらゆる方向からの飛まつによる有害な影響がない(防まつ形)
5級 あらゆる方向からの噴流水による有害な影響がない(防噴流形)
6級 あらゆる方向からの強い噴流水による有害な影響がない(耐水形)
7級 一時的に一定水圧の条件に水没しても内部に浸水することがない(防浸形)
8級 継続的に水没しても内部に浸水することがない(水中形)

4級の「防まつ形」は本来なら「防沫形」と表記されるものだが、「沫」が常用漢字に含まれていないためこのような表記になっている。

出典

  1. ^ 「キーワード IPX(防水規格)」『日経エレクトロニクス』第1009号、日経マグロウヒル社、2009年7月27日、130頁、ISSN 03851680NCID AN0018467X 

外部リンク


IPコード

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/08 06:02 UTC 版)

電気機械器具の外郭による保護等級」の記事における「IPコード」の解説

IPコードとは、規定されている保護等級やそれに付随する付加的事項コード化したものである。International Protectionを表す「IP」で始まる4文字から6文字記載される例えば「IP68」と記載されている場合第一特性数字である「6」は固形物対す保護等級を、第二特性数字である「8」は対す保護等級示している。また、どちらか保護等級省略する場合は「X」を記載する。「省略される=無保護」ではないところに注意が必要である。 対す保護等級一部では、単純に検査項目の上位・下位区別できないため、複数の項目に合格しているという意味で「IPX5/IPX8」のように表示される場合がある。

※この「IPコード」の解説は、「電気機械器具の外郭による保護等級」の解説の一部です。
「IPコード」を含む「電気機械器具の外郭による保護等級」の記事については、「電気機械器具の外郭による保護等級」の概要を参照ください。

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