特性数
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/08 20:57 UTC 版)
特性類からある整数を取り出すことができ、これを 特性数(characteristic numbers)という。種々の特性類に応じて スティーフェル・ホイットニー数 チャーン数 ポントリャーギン数 オイラー数 が定まる。 向き付け可能 n-次元多様体 M にたいしその基本類 [ M ] ∈ H n ( M ) {\displaystyle [M]\in H_{n}(M)} を考える。特性類 c 1 , … , c k {\displaystyle c_{1},\dots ,c_{k}} を持つ G-バンドルにたいし、基本類と次数 n の特性類のペアリング(交叉積)を考えることができる。特性数とは、全次数がちょうど n となるような特性類と基本類の(交叉)積のことを言う。次数の和が n となるような特性類の組み合わせの数、つまり、次数の和が n となる単項式の数だけ異なる特性数があり、この数は n の deg c i {\displaystyle {\mbox{deg}}\,c_{i}} への分割数に等しい。 形式的な定義としては、 ∑ deg c i j = n {\displaystyle \sum {\mbox{deg}}\,c_{i_{j}}=n} であるような i 1 , … , i l {\displaystyle i_{1},\dots ,i_{l}} が与えられたとき、対応する特性数は、 c i 1 ⌣ c i 2 ⌣ ⋯ ⌣ c i m ( [ M ] ) {\displaystyle c_{i_{1}}\smile c_{i_{2}}\smile \dots \smile c_{i_{m}}([M])} である。 これらは、それぞれの特性類の積として記号化されていて、例えば c 1 2 {\displaystyle c_{1}^{2}} であったり、別な例でポントリャーギン数は p 1 2 {\displaystyle p_{1}^{2}} に対応する P 1 , 1 {\displaystyle P_{1,1}} あるいは、オイラー標数を χ {\displaystyle \chi } と書いたりする。 基本類とのペアリングは、ド・ラームコホモロジーでいえば、特性類を定める微分形式を多様体上で積分することに相当する。 また、向き付けできない多様体に対しても、 Z / 2 Z {\displaystyle \mathbf {Z} /2\mathbf {Z} } での向き付けを与えることで、 Z / 2 Z {\displaystyle \mathbf {Z} /2\mathbf {Z} } に値を持つ特性数を得ることができる。この例がスティーフェル・ホイットニー数である。 特性数は、向き付け、ないし向き付けなしボルディズム問題(英語版)(bordism question)を解決する。つまり、2つの多様体が(向き付けこみ、向き付けなしのいずれかで)コボルダントであることと、それらの特性数が等しいこととは同値である。
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