特性関数の判定基準
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/13 10:26 UTC 版)
「特性関数 (確率論)」の記事における「特性関数の判定基準」の解説
減少しない càdlàg 関数(右連続左極限関数)F で、極限が F(−∞) = 0 および F(+∞) = 1 となる場合、F は何らかの確率変数の累積分布関数に対応している。 他にも、与えられた関数 φ について、それが何らかの確率変数の特性関数かどうかを判定する単純な判定基準が存在する。これについての中心的成果としてボホナーの定理(英語版)があるが、その主な条件である非負定性の判定が非常に難しいため、これが利用できる場面は多くはない。他にも Khinchine, Mathias, Cramér などの定理もあるが、それらも応用が難しい。一方 Pólya の定理は非常に単純な凸条件を提供するが、それは十分条件であって必要条件ではない。この条件を満たす特性関数を Pólya-type と呼ぶ。 ボホナーの定理 (Bochner's theorem):任意の関数 φ : R n → C {\displaystyle \scriptstyle \varphi :\ \mathbb {R} ^{n}\to \mathbb {C} } が何らかの確率変数の特性関数であるとき、常に φ は非負定性で原点で連続であり、かつ φ(0) = 1 である。 ヒンチンの判定条件 (Khinchine’s criterion):原点で値が 1 で絶対連続な複素数値関数 φ は、以下のように表現できるときのみ特性関数といえる。 φ ( t ) = ∫ − ∞ ∞ g ( t + θ ) g ( θ ) ¯ d θ {\displaystyle \varphi (t)=\int _{-\infty }^{\infty }g(t+\theta ){\overline {g(\theta )}}d\theta } マティアスの定理 (Mathias' theorem):原点で値が 1 で、実数値で偶関数で連続で絶対積分可能な関数 φ は、以下が成り立つ場合のみ特性関数といえる。 ( − 1 ) n ∫ − ∞ ∞ φ ( p t ) e − t 2 / 2 H 2 n ( t ) d t ≥ 0 {\displaystyle (-1)^{n}\int _{-\infty }^{\infty }\varphi (pt)e^{-t^{2}/2}H_{2n}(t)dt\geq 0} ここで n = 0, 1, 2, … であり、常に p > 0 である。H2n は、2n-次のエルミート多項式を意味する。 ポリアの定理 (Pólya's theorem):φ が実数値の連続関数で以下の条件を満たす場合、φ(0) = 1, φ は偶関数, φ は t > 0 について凸関数, φ(∞) = 0, φ(t) は絶対連続で対称な分布の特性関数である。 有限または可算な個数の特性関数の凸線型結合 ∑ n a n φ n ( t ) {\displaystyle \scriptstyle \sum _{n}a_{n}\varphi _{n}(t)} (ただし、 a n ≥ 0 , ∑ n a n = 1 {\displaystyle \scriptstyle a_{n}\geq 0,\ \sum _{n}a_{n}=1} )も特性関数である。 有限個の特性関数の積 ∏ n φ n ( t ) {\displaystyle \scriptstyle \prod _{n}\varphi _{n}(t)} も特性関数である。原点で連続な関数に収束するなら、無限個の積でも成り立つ。 φ が特性関数、α がある実数としたとき、φ, Re[φ], |φ|2, φ(αt) も全て特性関数である。
※この「特性関数の判定基準」の解説は、「特性関数 (確率論)」の解説の一部です。
「特性関数の判定基準」を含む「特性関数 (確率論)」の記事については、「特性関数 (確率論)」の概要を参照ください。
- 特性関数の判定基準のページへのリンク