GPS装置
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/01 19:23 UTC 版)
詳細は「チャートプロッター」、「グローバル・ポジショニング・システム」、および「ガリレオ (測位システム)」を参照 2008年現在では、おそらくほぼ全ての船舶がGPS装置を備えるようになっている。GPS衛星の利用が世界的に一般化した21世紀初頭の現在では、これまで航海に使用されてきたデッカは2001年4月1日、ロランCは2015年2月1日、に日本での運用を停止した。磁気コンパスは、緊急時の六分儀による航海技術と同様に今でも使用されている。GPSの位置情報はDGPSによってさらに高精度になっている。 GPS装置による自船位置の情報はECDISと呼ばれる航法装置によって、さらに有効に利用できるようになっている。 ECDIS ECDIS(Electric chart display and information system、電子海図情報表示装置)はCD-ROMに記録されたENC(Electric navigational chart、航海用電子海図)のデータとGPSによる自船位置情報、自船レーダー情報に基づいて、周辺海図、自船位置、自動航路保持、監視、航跡記録、自動船速制御、航路逸脱警報、変針点接近警報、避険線接近・侵入警報、安全等深線接近・侵入警報、気象情報提供、海象情報提供、航行警報情報提供、などの高度な航行支援機能を備えている。危険水域の警報機能とともに海図室への出入りに時間を割くことなく前方警戒に集中できることで航海の安全性が高められる。従来手間のかかった海図の修正も修正データCD-ROMをセットするだけで済むようになった。CD-ROMとは別にICメモリカードに収めたERC(Electric reference chart、電子参考図)も発行されるようになった。 国際水路機関(IHO)でENC上での表記法が統一されている。1995年から日本の海上保安庁が世界に先駆けてENCでの海図情報の提供を開始し、他の先進国もこれに続いて提供を始めているが、後進国ではデータ整備が進まないため、世界の海をECDISだけでカバーするには至っていない。東アジアでは日本が水路情報整備を主導している。 CD-ROMに記録されたENCは、国際的には英国とノルウェーで有償提供されており、暗号化された1枚のCD-ROMに圧縮暗号化され収められた各海域ごとのデータは、1年間の使用権利を持つ解読キーの購入によってECDIS上で解読・使用が可能となり、最新の更新データはインターネット経由で入手できる。
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