GPS衛星を利用した時刻比較
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/09 08:22 UTC 版)
「国際原子時」の記事における「GPS衛星を利用した時刻比較」の解説
1983年4月、東京天文台(TAO、現NAOJ)でGPS衛星を利用した時刻比較方式の定常運用が開始されたことにより、東京天文台(TAO、現NAOJ)の原子時計はアメリカ海軍天文台 (USNO)、国立標準局(NBS、現NIST)、ドイツの国立物理工学研究所 (PTB)、オーストリアのグラーツ工科大学 (TUG)、および国際報時局(BIH、現IERS)の欧米の原子時計と6992100000000000000♠10 nsの精度で時計比較が可能となった。これによって、ロランCの電波で東京天文台(TAO、現NAOJ)と時計比較しているアジア諸国の原子時計も、1983年後半から欧米並の精度となり国際原子時の決定に寄与できることになった。その結果、国際原子時 (TAI) は欧米だけでなくアジア諸国を含む世界中の原子標準が生成に寄与する、本格的に国際的な時系となる。これまでは、極東地域のロランC電波は欧米の機関では遠すぎて精度よく受信することができないため、欧米の原子時計とアジア諸国の原子時計とは精度のよい時計比較ができず(典型的な精度比較で、欧米内で6998500000000000000♠0.05 マイクロ秒であるのに対し、アジアと欧米の間では、6999200000000000000♠0.2 マイクロ秒)、極東地域の原子時計はパリの国際報時局(BIH、現IERS)が決めていた国際原子時を形成する平均の母集団に参加できていなかった。なお、GPS衛星を利用した時刻比較では時計の進み方に対する相対論的効果の補正も考慮されている。 さらに、1984年2月には、電波研究所(RRL、現NICT)でも、汎地球測位システム (GPS) 衛星を利用した時刻比較受信機を開発、受信開始し、国際原子時 (TAI) への寄与するようになる。
※この「GPS衛星を利用した時刻比較」の解説は、「国際原子時」の解説の一部です。
「GPS衛星を利用した時刻比較」を含む「国際原子時」の記事については、「国際原子時」の概要を参照ください。
- GPS衛星を利用した時刻比較のページへのリンク