FACOM 230 シリーズ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/26 08:53 UTC 版)
「FACOM」の記事における「FACOM 230 シリーズ」の解説
1964年の4月7日(日本では翌4月8日)、IBMがSystem/360を発表した。System/360は、統一されたアーキテクチャを持ち、あらゆる用途向け(360度)に設計された、上位モデルから下位モデルまでをシリーズ化したコンピュータであった。 以前はIBMのコンピュータが「IBMのUNIVAC」と呼ばれるなど、IBMは後発と扱われていたが、360によりIBMは完全にリードを得た。他のコンピュータメーカのほとんどが360に影響を受け、自社のコンピュータについて「シリーズ」あるいは「ファミリー」とすることが流行のようになった。しかし、その場合多くが360のそれとは異なり、もともとは別々に設計されたものをそのように称した、というものが多く、富士通もまた、以下で述べるようにFONTACを改良して製品化する際にFACOM 230-50とし、先行機FACOM 230はFACOM 230-30とサフィックスを付け、また以降のコンピュータをFACOM 230-何々として、FACOM 230ファミリとした。 FACOM 230は、中小型では可変語長方式、大型では固定語長方式を持つ独特なファミリであった。実際のところ設計中はFACOM 230-10はFACOM 800、FACOM 230-50はFACOM 250であった。 FACOM 230 / FACOM 230-30 FACOM 230は1964年5月発表。FACOM 231の機能を完全に包含、プログラムが変更なしに完全に動作する互換性を実現し、さらに高速化した。次に述べるFONTACが、製品化の際にFACOM 230-50としたのにあわせ、FACOM 230-30と改名された。 FONTAC / FACOM 230-50 国策により、1962年にプロジェクトが発足された富士通(F)・沖(O)・日電(N)の共同計画によるコンピュータであるが、内実としてはCPUの「FONTAC Central」をF、周辺プロセッサをOとNが担当する、というものであった。FONTACは1964年11月に完成・納入された。富士通はFONTAC Centralを改良し、FACOM 230-50として製品化した。 詳細は「FONTAC」を参照 FACOM 230-10 (1965年) シリーズ最小だが、それを補う仮想記憶(ソフトページング方式)を搭載。かな文字COBOLを実装。 シリーズの発表 1965年の9月に、富士通は全7機種から成る「FACOM 230 シリーズ」を発表した。 FACOM 230-60 (1968年) 日本で初めてICを採用したベストセラー機種。主記憶装置および入出力装置を共有する本格的デュアルプロセッサ。世界で初めてマルチプロセッサ構成を採用。 FACOM 230-60は、東大での対日立戦のリターンマッチと言える、東大に引き続き設置された京大の大型計算機センターで採用されたことが特筆されるさらに九州大学でも採用された。
※この「FACOM 230 シリーズ」の解説は、「FACOM」の解説の一部です。
「FACOM 230 シリーズ」を含む「FACOM」の記事については、「FACOM」の概要を参照ください。
- FACOM-230シリーズのページへのリンク