Exchange Server 2003
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「Microsoft Exchange Server」の記事における「Exchange Server 2003」の解説
2003年9月28日リリース。開発コード名 Titanium。Windows 2000 Server(ただし、SP4)と、32ビットのWindows Server 2003で動作するが、前者では新機能の一部が機能しない。各種互換モードを備えており、ユーザーが徐々に移行できるようにしている。これは、多数のExchange Serverを稼動させていて、移行のためにサービスを停止できない企業などで重宝された。 Exchange Server 2003の新機能の一つとして、ダウン時の復旧を高速化した点が挙げられる。これは、メッセージストアがバックアップから復旧される前から新規メールのやり取りを可能としたものである。Mobile Information Server 2001 / 2002の機能の一部もExchange Serverに取り入れられた。例えば、Outlook Mobile AccessやActiveSyncのサーバ側などである(Mobile Information Server はその後開発中止となった)。ウイルスおよびスパム対策も強化され、フィルタリングソフト向けのAPIの追加、SPFおよびDNSBLフィルタリングの基本部分の組み込みがなされている。メッセージ / メールボックス管理ツールも強化され、管理者の作業時間短縮に寄与している。インスタントメッセージと Exchange Conferencing ServerはLive Communication Server(その後Microsoft Office Communications Serverに改名)に分離され別製品となったため、完全に除かれた。マイクロソフトはグループウェアとしての機能を、Microsoft Office、Microsoft Office Live Communications Server、Microsoft Live Meeting、Microsoft Office SharePoint Server の組合せで実現するという方向となっている。このため、Exchange Serverは、電子メールと予定表だけを分担するようになっている。 Exchange Server 2003には、スタンダード・エディションとエンタープライズ・エディションがある。スタンダード・エディションはサーバ毎に1つのメッセージ・データベースをサポートし、データベースは最大16GBである。SP2では最大75GBに拡張されたが、デフォルトは18GBとなっており、それ以上に設定するにはレジストリを編集する必要がある。エンタープライズ・エディションでは最大 16TB であり、最大5つのデータベースからなるストレージグループをサーバ内に最大4つ持つことができる(合計で20個のデータベース)。 Windows Small Business Server 2003にはExchange Server 2003も含まれるが、32ビット版だけであり、64ビット版では動作しない。 Exchange Serverの使うRPCプロトコルは独自のもので、APIしか公開されていない (MAPI)。これは、Microsoft Outlookクライアントで使うべく設計された。Exchange Server上の電子メールはPOP3とIMAP4でアクセスでき、Mozilla ThunderbirdやLotus Notesといったクライアントでも使える。OutlookとEvolutionはExchange Server特有の機能にも対応したクライアントである。Macintosh用のMicrosoft Entourageも最新版ではExchange Server特有の機能の大部分をサポートしている。ウェブブラウザからメールボックスにアクセスすることもでき、これをOutlook Web Access (OWA) と呼ぶ。また、Exchange Server 2003はモバイル版OWA (Outlook Mobile Access, OMA) もサポートしている。 Windows Mobile 5.0 AKU2以降では、Exchange Server 2003 SP2と組み合わせて、プッシュ型電子メールをサポートしている。
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