EMIEW (ロボット)とは? わかりやすく解説

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EMIEW (ロボット)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/24 15:47 UTC 版)

EMIEW(エミュー)とは、日立製作所が2005年に開発したロボット[1]。 EMIEWは「Excellent Mobility and Interactive Existence as Workmate」の略称[2]

概要

EMIEWのコンセプトは、人と同じ生活空間で、人と同程度の速さで機敏に動きながら、人をサポートすること[1]

移動性能

2体のEMIEW をシナリオ制御に基づいて速度 1.7 m/s(6 km/h)で連動させる走行演技では、複雑に交差した移動軌跡上で EMIEW 同士が衝突することなく、安全にデモ走行を実現できた[3]。移動システムには、床面占有面積を狭くできて、人の邪魔にならず、小回りが利いて俊敏な移動が可能で、重心の高い移動体の姿勢を、アクティブに安定に制御可能な倒立振子移動システムを採用した。それにより、人間並みの移動速度 1.7 m/s(6km/h(ホンダASIMOも2005年に可能[4])で、胴体に実装したレーザスキャナによる実時間障害物監視と、それに基づく実時間衝突回避制御を可能とした[5]

音声認識

平均騒音レベル70dBの背景騒音条件で、1~4 m の距離を経て不特定話者の発声に対応した遠隔音声認識が可能。識別可能な語彙は100語。キーワード識別機能を持ち、あらかじめ対話のキーとなる単語を登録しておくことで、聴き取ったフレーズの中に該当する単語が存在した場合のみ、対応するアクションを発生できる実績を示した[6]

安全性

EMIEWのコンセプトはそのままに、EMIEW2は、オフィスでの案内や巡回などでの利用を想定した実用的な身長、かつ、安全性を確保するために小型・軽量化している。倒立振子方式では、電源が落ちて制御ができなくなると、バランスをくずして倒れてしまう[1]ため、「EMIEW3」は「EMIEW2」より重心を低くし、補助輪を付けて転倒からの復帰も可能となり、実サービスの活用を視野に開発された[7]。 ヒューマノイド型の新モデルEMIEW4は、稼働時間や移動性能などの実用性能を大幅に高めた[8]

用途

「EMIEW4」や「EMIEW-TT」とサーマルカメラを連携させることで、発熱者の誘導や来訪者の簡易問診を非接触で実施でき、建物の運用・管理者の負荷軽減が期待できるとしている[9]

沿革

  • 2005年
    • EMIEWを開発[1]
  • 2007年
    • EMIEW2を発表[1]
  • 2016年10月
    • EMIEW3の実証実験を開始[10]
  • 2018年10月
    • タブレット端末と専用クレードルで「EMIEW」のアバター(分身)と会話ができる卓上型の「EMIEW-TT(エミューティーティー)」を開発[11]
  • 2020年4月20日
    • EMIEW4をオフィスや病院、福祉施設などを中心に、国内で販売開始[8]
    • EMIEW-TTをラインナップに追加[8]

仕様

モデル EMIEW EMIEW 2
発売年 2005 2007
質量 70 kg 14 kg [12]
高さ 130 cm 80 cm
最高速度 6 km/h 6 km/h
加速度 4 m/s2 4 m/s2
自由度 14 [13]

(アーム: 6 × 2, ハンド: 1 × 2)
25

主な出演

  • EMIEWは「愛・地球博」会場内の「プロトタイプロボット展」で、「ロボットカフェ」のウェイターとして、対象物の搬送作業を行うというコンセプトの技術紹介デモ[14]を行った。
  • EMIEW3は羽田空港で実証実験を行った。人だけでなく、インフォメーションアナウンスなどの雑音下でも、空港利用者の問いかけに対し、EMIEW3は案内カウンターの隣に設置した案内情報ディスプレイと連携し、ディスプレイに表示された地図や、空港施設の概要、店舗の写真などを用いて案内することができた[15]

関連項目

出典

外部リンク




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