DIS 10646第2版
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「DIS 10646」の記事における「DIS 10646第2版」の解説
このようなDIS 10646は作り直されることになった。このときのDIS 10646の作り直しについて、「DIS 10646第1版は廃棄されUnicode(を元にした案)に置き換えられた。」とされることもあるが、DIS 10646第1版は否決されたものの、否決した投票の中には「単純にDIS 10646第1版を廃案にしてUnicodeに置き換えるべき」とする意見ではなく「DIS 10646第1版とUnicodeがマージされれば賛成する」という見解が多かったため、DIS 10646第1版とUnicode(1.0)の両方の特徴を取り入れた新たなDIS 10646を作成する事になった。 中でも漢字部分の文字の選択と配置をどうするかが問題となったが、この点については中国および1991年1月にUnicode Final Draftに賛同する企業によって設立されたUnicodeコンソーシアムの要請により、今後の漢字コードの方針を決めるため、ISO/TC 97/SC 2/WG 2は CJK-JRG (Joint Research Group) と呼ばれるグループ(後のIdeographic Rapporteur Group)を別途設置し、そこで引き続き検討することにした。CJK-JRGは各国の漢字コードに基づき独自の統合規準を定め、ISO 10646 / Unicode用の統合漢字コード表を作成した。CJK-JRGは第1回が1991年7月22日から24日にかけて東京で、第2回が1991年9月17日から19日にかけて北京で、第3回が1991年11月25日から29日にかけて香港で開催された。 中国は「漢字発祥の国」としてこの会議に自身が作成した「統合漢字表」を提出し、これを元に日本固有の漢字を修正追加するという形で最終的な統合漢字表を作成することを提案したが、日本は各国が持つ規格の漢字表を「部首が異なる漢字は統合しない」などの対等な基準で組み合わせて漢字表を統合することを主張した。この中で生まれてきたのが「各国の元になる規格で別の漢字として扱われている漢字は統合漢字表でも別の漢字として取り扱う」という、「原規格分離規則」である。このような議論の結果1991年末になって各国の漢字コードに基づき独自の統合規準を定めた、ISO 10646 / Unicode用の統合漢字コード表が Unified Repertoire and Ordering (URO)として完成した。この初版の表は若干の誤りを含んでいたため翌1992年に若干の修正が行われたURO第二版が制定された。 1992年5月30日 UROを取り込んだDIS 10646第2版が完成した。DIS 10646第2版ではDIS 10646第1版にあった「群 (group)、面 (plane)、区 (row)、点 (cell) 」という構造は残されたが、群 (group)については00から7Eのみが使用出来るようになり実質31ビットのコードになった。また面 (plane)、区 (row)、点 (cell)については完全に値の制限が無くなって00からFFまでの全てが使用出来るようになった。また最初の面(第1版では第0群第0面、第2版では第20群第20面)を基本多言語面 (BMP) と称する形は残しながらも、BMPにUnicodeをそっくり入れてその他の群・面は未使用という、実質Unicodeと同一の2オクテットの符号となった。
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