Create Theatre Poster
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/10 16:26 UTC 版)
「松田治助」の記事における「Create Theatre Poster」の解説
Create Theatre Posterは、シェイクスピアの作品を取り扱った、一連のワークショップポスターである。古典を現代の目線で捉え直して、現代のポスターとして再構築することをテーマにしている。シェイクスピア作として知られる全37作品を制作予定。既に作品化されているものは、以下のタイトル。 King Learシリーズ最初の作品。「King Lear」の文字に、リアの心理と行動 ー悲しみ、怒り、ゆらぎ、絶望、鋭角な狂気ー を象徴させ、独自のタイポグラフィとして確立させている。氷の彫刻のような奥行きと色彩の反射は、頑なさ故に悲劇を呼び込んだ彼の運命を象徴する。 Hamletその高名なセリフは、無数の渦から浮かび上がる。渦は、逡巡、迷い、波紋。オフィーリアの浮かんだ水を思い起こさせる暗い青、血のような赤。流れる涙の中に、悲劇に突き進むしかなかったハムレットの苦悩が伺える。 Romeo and Juliet短刀は、彼らの愛の象徴である。それはジュリエットの命を奪っただけでなく、全ての悲劇の始まりであった。愛情の持つ、鮮やかで美しい側面と、冷たく残酷な一面を、1枚の絵の中で表現した作品。 Macbethマクベスを破滅に導いたのは、彼自身であった。自分の手を汚して王の座に登った後、その心は休まることなく、中央の剣は王冠を貫き、彼の名「Macbeth」は炎に包まれる。 Richard Ⅲ暴君として名高いリチャード3世は魅力的な悪役である。彼の迷いが、彼に亡霊を見せた。無数の石の欠片は、彼を閉じ込めた城壁であり、石のように脆い彼の王座でもある。 The Merchant of Venice正義とは何か。この物語は法廷を舞台にしたゲームである。チェスの駒は登場人物たちを表現している。一筋縄ではいかない正義、本当の悪役はここにはおらず、全てはグレーなのだ。 A Midsummer Night's Dream幻想の守りの中では、人間も妖精も、愛し合い嫉妬し合う、ユーモラスで愛すべき人物として描かれる。ポスターを埋める粒は、彼らの涙であり、溢れる感情は画面の外へと流れ出る。 Julius Caesarシーザーの驚き、叫び、嘆き。カタカナという鋭角的なサーフェスを持つ文字は、暗殺されたシーザーの心情の表出であると同時に、壊れやすい暗殺者たちの行く末も予感させる。 Antony and Cleopatra成就することのない、浮気でありつつも真摯な愛。運命に翻弄されるしかなかったアントニーとクレオパトラの愛を、触れることの許されない感染症の時代に重ね合わせた作品。
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