Common Development and Distribution License
略称:CDDL
MPL(version 1.1)を基に、Sun Microsystems社が策定した、OSD準拠のオープンソースライセンスのひとつ。
主に、同社のOSであるSolarisの公開部分を基に、開発者コミュニティであるOpenSolaris Projectが開発中のオープンソースOS「OpenSolaris」や関連ソフトウェアのライセンスとして利用されている。
関連見出し
Mozilla Public License
Open Source Definition
関連URL
CDDL(原文)(http://www.sun.com/cddl/)
OpenSolaris.org(http://www.opensolaris.org/)

Common Development and Distribution License
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/01/13 18:16 UTC 版)
作者 | サン・マイクロシステムズ |
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バージョン | N/A |
公開元 | サン・マイクロシステムズ |
DFSGとの適合性 | ? |
FSFの承認 | Yes[1] |
OSIの承認 | Yes[2] |
GPLとの適合性 | No[1] |
コピーレフト | Limited[1] |
異種ライセンスコード からのリンク | Yes[1] |
Common Development and Distribution License(CDDL)は、サン・マイクロシステムズが Mozilla Public License(MPL) version 1.1 をベースとして策定した自由ソフトウェア向けライセンス規定。
概要
CDDLでライセンスされたソフトウェアは、使用料が無料であり、無保証で非独占的な利用が可能である。対象ソフトウェアの品質、及び性能に関するリスクは、すべて利用者が負う。また、頒布にあたり、ソフトウェアを実行可能なコード形式で提供する場合は、CDDLに従ってソースコードの提供が義務づけられており、CDDLのコピーを添付しなくてはならない。ソースコードの提供は、ソフトウェア交換に一般的に使われているメディアや妥当な方法でなくてはならない。
CDDLでは、特許による規定が定められており、またソフトウェアを修正、拡張するの開発者(CDDLの元ではコントリビュータと呼ぶ)の規定を明確に定めている。ソフトウェアを修正した場合もCDDLが適用され、自分が修正したコードのコントリビュータであることを明記しなくてはならない。
ただし修正とは異なり、全く別のライセンスのコードを組み合わせて拡大配布物を作成し、それを単一のライセンスとして頒布することも可能としている。組み合わされる別のライセンスのコードは、CDDLが適用されなくても構わないが、CDDLで元々配布されたコードには、CDDLの要件を満たす必要がある。
CDDL は2004年12月1日、Open Source Initiative の承認を受けるべく提出され、2005年1月にオープンソースライセンスとして承認された。License Proliferation Committee (非互換なライセンスが数々出現することでオープンソース・コミュニティが分断されるという問題を検討するOSIの委員会)の当初のドラフトでは、CDDLを9つの主要なライセンスの1つとしていた[3]。
サン・マイクロシステムズが以前に自由ソフトウェア/オープンソースプロジェクトに使っていたライセンスは Sun Public License (SPL) であり、これも Mozilla Public License をベースとしていた。CDDL はサン内部では SPL version 2 と見なされている。
CDDL でリリースされている製品の例:
- OpenSolaris(ZFS、DTrace も含む)
- NetBeans IDE および RCP[注釈 1][注釈 2]
- GlassFish[注釈 1][注釈 3]
- JWSDP
- Project DReaM
CDDL 提案書第2版は、2005年1月に提出された。このとき、欧州の著作権法とかみ合わない点が修正され、単独の開発者もCDDLを使えるようにした。
GPLとの非互換性
上記の通り、CDDLでライセンスされた配布物は、修正されたものに関してはCDDLを継承する必需性があるものの、組み合わせた拡大配布物に関しては、CDDLで元々配布していた部分がCDDLを満たしさえすれば、オープンソースかプロプライエタリかに関わらず、他のライセンスのファイルと組み合わせて配布することが可能である[2]。これはプロプライエタリなコードを持つ企業が、フリーソフトである部分と、そうでない部分を明確に区別して配布する事ができるように考慮されていると考えることができるが、フリーソフトウェア財団は、このライセンスは GNU General Public License (GPL) とは非互換であるとしている[1]。非互換は、MPLから継承したいくつかの複雑な条文に起因している[4]。
かつてサンで働いていた Danese Cooper は、CDDL が MPL をベースとしている理由として、MPL が GPL 非互換だからだと述べた。第6回 Debian 会議で Cooper は、Solaris カーネルを書いた技術者らが OpenSolaris が GPL 非互換となるよう要求したと述べている。「Mozilla が選ばれた理由のひとつとして、GPL非互換だからというのがある。それは、OpenSolaris リリース時の設計の一部だった。[...] Solaris を書いた技術者らは [...] どうリリースすべきかという考えがあったのであって、それは尊重されるべきだ」[5]
サンの Chief Open Source Officer である Simon Phipps は、当時これについてコメントしなかった。Phipps はCDDL策定当時を知る人物であり、Cooper を「CDDL を実際に書いた人」と紹介している[6]。その後 2006年9月になって、Phipps は Cooper の言ったことを否定した[7]
cdrtools はかつて全てGPLでライセンスされていたが、一部をCDDLに変更したことから、非互換部分が論争の火種となった。DebianプロジェクトはビルドシステムがCDDLでライセンスされているため、それが法的に配布不可能になっていると宣言した。すなわち、GPLではソフトウェアをビルドするのに必要な全スクリプトもGPLでライセンスされることを要求しているためである[8]。したがってcdrtoolsは著作権侵害となるようなライセンス非互換状態になっているとした[9]。cdrtoolsのビルドシステムである smake の作者は、それが独立したプロジェクトであり、GPLv3に違反していないと主張している[10]。
関連項目
- GNU Free Documentation License
- GNU Lesser General Public License
- GNAT Modified General Public License
- Mozilla Public License
- BSDライセンス
- デュアルライセンス
脚注
注釈
- ^ a b GPLとのデュアルライセンス。
- ^ Apacheソフトウェア財団への移管後、Apache Licenseに変更された。
- ^ Eclipse Foundationへの移管後、EPLとGPLのデュアルライセンスに変更された。
出典
- ^ a b c d e “さまざまなライセンスとそれらについての解説”. フリーソフトウェア財団. 2019年10月3日閲覧。
- ^ a b “Can code licensed under the CDDL be combined with code licensed under other open source licenses?” (英語). OpenSolaris FAQ: Common Development and Distribution License (CDDL). OpenSolaris. 2009年10月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2008年4月2日閲覧。
- ^ “First draft of OSI's license proliferation report” (英語). -2017-09時点のオリジナルよりアーカイブ。2006年8月20日閲覧。
- ^ “MPL / GPL Incompatibility” (英語). 2007年12月3日閲覧。
- ^ Danese Cooper (2006年). OpenSolaris and CDDL discussion at Debconf 2006 (Ogg Theora) (英語).
Mozilla was selected partially because it is GPL incompatible. That was part of the design when they released OpenSolaris. [...] the engineers who wrote Solaris [...] had some biases about how it should be released, and you have to respect that
- ^ Simon Phipps (2006年). OpenSolaris and CDDL discussion at Debconf 2006 (Ogg Theora) (英語). 該当時間: 13:00.
...we have got Danese Cooper in the room, and she is the one who actually wrote the CDDL...
- ^ “Thread: Danese Cooper claims CDDL made incompatible with GPL on purpose” (英語). OpenSolaris公式サイト. 2011年9月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2007年9月9日閲覧。
- ^ “The GNU General Public License”. 2009年10月24日閲覧。
- ^ Jonathan Corbet. “cdrtools - a tale of two licenses” (英語). 2007年8月4日閲覧。
- ^ Jörg Schily. “Linux controversy” (ドイツ語). 2009年10月26日閲覧。
外部リンク
- Common Development and Distribution License (CDDL) Information - ウェイバックマシン(2011年5月20日アーカイブ分)
- CDDL 1.0 - ウェイバックマシン(2011年5月20日アーカイブ分)
- MPL1.1 と CDDL の差分 - ウェイバックマシン(2011年5月20日アーカイブ分)
- Summary description of changes - ウェイバックマシン(2011年5月20日アーカイブ分)
- Detailed description of changes from the MPL - ウェイバックマシン(2011年5月20日アーカイブ分)
- CDDL に関する FAQ - ウェイバックマシン(2009年4月9日アーカイブ分) - Open Solaris 公式サイト
- The Common Development and Distribution License - Linux Weekly News Editorial
- さまざまなライセンスとそれらについての解説 - FSF
- OSI承認オープンソースライセンス 日本語参考訳 - OSG-JP
「Common Development and Distribution License」の例文・使い方・用例・文例
- 博物館の後援者として、Commonwealth Industries社員の皆様は入場料が半額となります。
- 《主に米国で用いられる》 = 《主に英国で用いられる》 the Speaker of the House of Commons 下院議長.
- 私はまず、この点をAmandaに確認します。
- 11月21日にHolyoke Bar and Grillで、Pete Laurenの退職パーティーが開かれることをお知らせします。11 月10 日までにお返事をください。
- 来月のロンドンへの出張のために、飛行機の便を予約して、Southland銀行の近くの宿泊施設を手配してもらえますか。
- 年次監査を行うために、Bradford and Partnersの会計士たちが10 月10 日の午前10 時に当社を訪ねてくる予定です。
- 一般に公開されたことのない、Ruth and Steve Whitmanの個人コレクションの絵画を含む、およそ120 点の作品が展示される。
- Ruth and Steve Whitmanを紹介すること。
- Conteeさんは、昨年Hope and Learnの会長に就任された、受賞歴のあるミュージカル女優さんです。
- Hope and Learnは遠隔地に学校を建設する資金を集める慈善団体です。
- Hope and Learnへの寄付は、この夜会の最後に集めます。
- 気をつけの姿勢で立つ (⇔stand at ease).
- 等位[対等]接続詞 《対等の語句を接続する and, but など》.
- 等位接続詞 《and, but, or, for など; ⇔subordinate conjunction》.
- 連結接続詞 《and など》.
- 【文法】 相関接続詞 《both…and; either…or など》.
- 蒸留酒, 火酒 《brandy, gin, rum, whiskey など》.
- 英国陸軍士官学校 《Berkshire の Sandhurst /sndhɚːst|‐həːst/ にある》.
- (英国の)運輸省. the Ministry of Education(, Science and Culture) (日本の)文部省.
- 中央裁判所施設 《London の Strand 街にある高等法院の建物》.
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