5『異次元の影』とは? わかりやすく解説

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5『異次元の影』

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/09 00:35 UTC 版)

ラヴクラフトとダーレスの合作作品」の記事における「5『異次元の影』」の解説

異次元の影』(いじげんのかげ、原題:英: The Shadow out of Space)。1957年アーカムハウス単行本生きながらえるものその他』に収録された短編一つ邦訳はクト4(東谷真知子訳)。 「コズミックホラー」であるラヴクラフトの『時間からの影』を、ダーレスが「クトゥルフ神話」としてリメイクしたもの精神科医語り手として、患者診察しながら奇怪な事件巻き込まれるという形式をとる。また作中時が『時間からの影』と重複するイースの大いなる種族が、5000万年前に2万年後に逃げた理由が、変わっているラヴクラフトの『時間からの影』では、追い払った敵対種族空飛ぶポリプ」の逆襲予見したためである。これがフランシス・レイニーの設定(≒恣意的解釈による変更)では、「旧神旧支配者戦い大いなる種族加わり敗れて逃げた」とされた。これをダーレスは、作品中身組み込んだ大いなる種族介入する時間史において、地球核戦争が起こることも設定された。ラヴクラフト時代ではあり得ない設定であるが、第二次世界大戦後組み込んだクトゥルフ神話作品複数存在しその一つである。この生物については、後述の『ポーの末裔』も参照東雅夫は「ラヴクラフト創作メモ補作という体裁とっているが、実際には『時間からの影』をダーレス流に書き直した作品である。ダーレスがわざわざ本編をものにした理由は、両作を読み比べてみれば明らかだろう。“旧神”対“旧支配者”の図式さりげなく導入することで、ダーレスは<大いなる種族>をもダーレス神話世界引きずりこんだのだ」と解説している。朱鷺田祐介は『時間からの影』はいわゆるクトゥルフ物語ではなく大きく雰囲気異なSF作品だと前置きした上で、「重要なポイントいわゆるクトゥルフ神話の重要事件を全て取り込もうとしていること」「明らかに当時ダーレス推し進めていたクトゥルフ神話構造化に<大いなる種族>さえ取り込もうとしたのである」と解説している。続けて「この結果ダーレスの描く<大いなる種族>は、ラヴクラフト夢見たユートピア住人ではなく時間越えて歴史監視し自分種族安全だけを願う日和見陰謀家の種族になってしまった。この方が、当時はやっていた陰謀史観には適していたが、作品としての質が一回り小さくなったことも否めない」と述べている。

※この「5『異次元の影』」の解説は、「ラヴクラフトとダーレスの合作作品」の解説の一部です。
「5『異次元の影』」を含む「ラヴクラフトとダーレスの合作作品」の記事については、「ラヴクラフトとダーレスの合作作品」の概要を参照ください。

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