4Hモード
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/12 07:51 UTC 版)
「スーパーセレクト4WD」の記事における「4Hモード」の解説
センターデフにビスカスカップリングを用いた差動制限により前後に駆動力を配分するモード。センターデファレンシャルに差動制限を持つフルタイム4WD車両と同等の走行性能を持つ。舗装路・濡れた道・砂利道・雪道と様々な路面状況に対応できるスーパーセレクト4の基本位置。2Hに比べ、前述の状況(フロントアクスルが完全フリーではない)となるので、極端に燃費悪化はしないが、タイヤの前側駆動が却って駆動ロスとなる走行条件(峠道や市街地など)では、はっきりと経済性に劣る。 4H・2Hモード相互の切り替えは走行中でも行えるが、100km/h以下に限定される。100km/h以上で行うと、トランスファ切り替えギアと、高速走行により左右ブレを生じるチェーンが接触しやすくなり、旋盤で切削した時のようなけたたましい金属音がする。また、これを繰り返している車両では、トランスファ内部のチェーン摩耗、切れという重篤な故障も発生している。 基本的にFRベースのセンターデフとなるので、リア駆動に対してフロントが配分される形であり、トルク配分はリア100~50%が理論上の数値となる。リア脱輪、リアシャフト破損などにより空転している場合は、フルタイム4WDポジションでは車両が前に進まないことも知られている。そのため、初期のスーパーセレクト4WD車両では、主駆動輪のリアが空転しないようにデファレンシャルにLSDやデフロックを内蔵するグレードも多くあり、スーパーセレクト4WD IIとなった3代目パジェロ以降でも、トルセン式LSDとデフロックを共存したハイブリッドデフをやはりリア側に装備する。ただしスーパーセレクト4WD IIでは、プラネタリーギアによるトルク配分を用いたことにより、リア完全空転時でも、車両を動かす程度には前側に駆動力は生じる。
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