4扉化改造
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/25 21:11 UTC 版)
1968年(昭和43年)12月から1969年(昭和44年)9月にかけて、台枠を残して車体を解体し、4扉ロングシートの車体を旧台枠上に新造する改造工事が久里浜工場で行われた。改造内容は以下の通り。 車体窓配置は700形(2代)に準じたd1D(1)1D(1)1D(1)1D(1)となり、側窓も700形と同様900mm x 900mmとされた。 700形では先頭車の車体長が中間車より1,000mm長いが、本形式では台枠を旧車体から流用したため、700形と異なり先頭車と中間車の車体長が等しく、車端窓柱幅ならびに客用扉幅(先頭車1,100mm・中間車1,200mm)を変更し、さらに運転台車体長手寸法を700形より狭くすることで寸法を調整した。加えてデハ500形では主幹制御器(マスターコントローラー)を三菱電機製の小型のものに交換し、運転士足元寸法を確保している。 デハ500形の客用扉は旧車体から流用したが、前述のように客用扉幅が変更されたサハ550形は客用扉を新製した。 前面は2枚窓、非貫通のままであったが、窓寸法を横1,100mm x 縦900mmに変更、窓内に行先表示幕、種別表示幕、運行番号幕が設置された。 側面に電動式種別幕を設置。 700形に準じて屋上にFRP通風器が設置され、パンタグラフは連結面寄りに移設された。 室内の構造も700形に準じ、奥行きが浅く座面が高い椅子が採用された。 700形同様窓下辺高さが400形などより高く、白帯が窓下辺にあわせて引かれ、正面にも同じ高さで回されたため、400形などとは前面の印象が若干異なっていた。 デハ500形の台車を東急車輛製TS-806(側受支持コイルばね、鋼板溶接軸箱式)に交換。最初に改造されたデハ507・508はMCB-R台車のまま出場し、後にTS-806に交換。 ドア数増加による使用空気量増に対応し、サハ550形偶数車に空気圧縮機を設置。 ATSを設置。 先頭部連結器をNCB-6形からNCB-II形に交換し、連結器胴受けを設置。この両者は相互に連結が可能。 旧車体から捻出したクロスシートは京急バスの待合室座席に、アルミサッシは600形(2代)の更新用に活用された。
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