4手目△3三角戦法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/30 10:23 UTC 版)
「角交換振り飛車」の記事における「4手目△3三角戦法」の解説
△持ち駒 角 ▲持ち駒 角第8-a図 △3三桂まで △持ち駒 角 ▲持ち駒 角第8-b図 ▲7八銀まで △持ち駒 角 ▲持ち駒 角第8-c図 ▲7八銀まで 「3三角戦法」も参照 後手番で行われる。おもに向かい飛車にする。 初手からの指し手は▲7六歩 △3四歩 ▲2六歩 △3三角で、ここから指し手が普通に▲4八銀などと、▲3三同角成としていく手とある。 普通に▲4八銀なら △2二飛 ▲6八玉 △4二銀 ▲7八玉 △6二玉▲2五歩△7二玉 で、升田式と合流。手順中△2二飛に▲3三角成△同桂▲6五角の両成ねらいには△4四角の反撃があり、香取りが受からずに居飛車がしびれることになる。 一方で▲3三同角成は△3三角をとがめるにはこの一手で、△同桂と取らせる事により振り飛車の形を早く決めさせている。これで第7-a図となり、この後の居飛車の指し手により振り飛車の出方が変わる。第8-a図以下、▲2五歩には△2二飛。この△2二飛に▲6五角は、△4五桂 ▲8三角成 △5七桂不成。△4五桂を先手が受けると△3三角や△5五角。▲6八金△5五角▲7七桂の受けには、△3七桂成▲2六飛△4七成桂▲同角 △1九角成 ▲8三角成 △8二飛となる「鬼殺し向かい飛車」にされる。 第8-a図以下、▲9六歩は、対ゴキゲン中飛車佐藤新手の応用。△4五桂~△5五角のとき、▲9七香を用意している。また▲9六歩△4二銀▲9五歩なども有力で、また▲2五歩には△3二金や△4二飛もある。 第8-a図以下、▲4八銀は、普通の駒組となる。 以下、第8-b図や第8-c図などの例に合流する。 第8-b図からは、△2五桂 ~ △2四歩 ~ △1四歩 ▲1六歩 を入れてから△1五歩▲同歩 △1七歩 ▲2六歩△1五香 ▲2五歩△同歩から△2六歩~△4九角。▲2五同飛ならば、△2四歩▲2八飛△2五歩▲4八金△2六歩▲3八金△4九角などの狙いがある。 第8-c図では、△4五歩~△6四角などの狙い。 ほか第8-a図以下の指し手に▲6八玉があり、これには△2二飛ならば▲6五角が成立する。したがってこの場合は△3二金からの立石流や中飛車、△6五角からの筋違い角向かい飛車、あるいは居飛車へと変化する。プロの公式戦では▲6八玉の指し手が多く、藤井猛は手堅く指すなら先手は▲7八金を進めている。また藤井は後手の3三桂型が決まっていて作戦の幅が狭く、あまり自由度がないとし、この局面は実戦である程度調べがついているという。先手も相手が振り飛車党なら▲6八玉、居飛車党なら▲7八金などであるが、振り飛車党でも▲6八玉に対して△4四角からの乱戦に持ち込んでくるので、やはり悪くならないなら▲7八金が無難であり、相手が△4二飛などと振り飛車にしたら▲6八玉から▲7七玉~▲8八玉と囲うなどの指し手もある。 平成以降の一時期にかなり頻繁に指されており、2007年までに114局現れ、内容は先手の63勝44敗4千日手となっている。 平成6年棋聖戦で後手番の羽生善治が用いて相居飛車の勝負となったが、結局終盤に千日手となる。羽生はこの他に平成20年の佐藤康光との一戦でも採用し、このときは後手の羽生は3三桂型四間飛車から向かい飛車、先手の佐藤は7ハ金-6八玉型から7七玉~8八玉の入城を使い、先手が勝利している。 平成元年以降20年間で129局指されて先手の74勝であったが、平成20年度にはこの年度だけで136局も指され、後手が82勝と大幅に勝ち越し始める。翌年は3月までに37局指されて後手21勝16敗となり、後手の有力戦法となっていった。 なお、現在では初手からの指し手▲7六歩 △3四歩 ▲2六歩 に四手目は△3三角や△4四歩、△8四歩、△5四歩の他には△3二金、△4二飛、△9四歩、などの手が出現している。
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