1961年クラウン・エステート法
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「クラウン・エステート」の記事における「1961年クラウン・エステート法」の解説
現在のクラウン・エステートは、クラウン・エステート委員によって、1961年クラウン・エステート法の規定に基づいて運営される特殊法人である。1961年クラウン・エステート法の定めるところによって、クラウン・エステート委員は、「クラウン・エステートの資産を土地所有権として維持し…その価値及びそこから得られる収益を増加させるとともに、通常期待される善良な管理者としての注意を払う」義務を負う。特に、同法は、第1条第5項において、「委員が締結した契約の有効性については、その権限の行使について定めた本法の規定に基づく行為ではない、又はその権限を超えてなされた行為であるといった異議を唱えてはならない。また、委員との間で取引を行ういかなる者も、その権限の程度や、権限の行使に加えられた制限の遵守に関し、回答を求めてはならない」と規定している。 法の概要 クラウン・エステートは、事業の遂行に必要な限りの現金及び国債を別として、土地の不動産権のみからなる。 クラウン・エステートの委員は、委員会を構成し、首相の助言に基づいて国王の承認を受ける。クラウン・エステート委員の定員は8人とする。 委員会は、次に掲げる義務を負う。その不動産の資本価値及び収益を維持及び増加すること。ただし、同時に、 不動産管理運用に係る高度な実務基準を遵守する必要があることに留意する。 クラウン・エステートの財産を売却又は賃貸の用に供するとき、クラウン・エステートは、常にあらゆる状況を考慮した上で合理的と判断できる妥当な約因(価格等)に基づいてこれをしなければならない。ただし、(主に海岸及び海底の所有権から生じる)独占的価値については、その分の減額を行う。 クラウン・エステートは、150年を超える期間の借地権を設定してはならない。 クラウン・エステートは、10年を超える期間のオプションを土地に設定してはならない。ただし、当該オプション行使時に土地の査定が改めてなされる場合を除く。 クラウン・エステートは、金員の借入れを行ってはならない。 寄付は、不動産及び賃借人の福祉に関連し、かつ宗教又は教育を目的とするものに限って認められる。それ以外の慈善を目的とした寄付は禁じられる。 ウィンザー領(公園及び森林)の性質は保全されなければならない。当該不動産は、一部であっても売却してはならない。 女王及び議会に対し、毎年、前年度の資産に関する業績を記載した報告書を提出しなければならない。 クラウン・エステートは、プロ向け会計基準を遵守し、その会計においては資本と利益を区別しなければならない。 新たな賃貸借契約の締結時に賃借人から受領する金員は、次に掲げる基準に従って、資本と利益とに区別するものとする。30年以下の期間の賃貸借の場合においては、利益とする。 30年を超える期間の賃貸借の場合においては、資本とする。
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