16世紀から19世紀前半
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/21 22:12 UTC 版)
「グレート・アクセラレーション」の記事における「16世紀から19世紀前半」の解説
ヨーロッパ諸国によるアメリカ大陸の植民地化が世界的な貿易ネットワークと資本主義経済の発展に貢献し、産業革命とグレート・アクセラレーションの始まりに重要な役割を果たしたという説がある。ヨーロッパとアメリカの家畜・作物、病原体、奴隷などの伝播をめぐる関係は、コロンブス交換とも呼ばれる。 ヨーロッパはアメリカ大陸とアフリカ大陸への進出によって、鉱物資源や製品の輸出先などの問題を解決した。これによって人口増加と手工業の拡大を続けて、プロト工業化が進んで産業革命が進行した。これと比較して、アジアではインドや中国が巨大な経済規模を持っていたが、産業革命の進行は遅れた。原因として、ヨーロッパと異なり移住地や手工業製品の輸出先がなかった点が影響したという説がある。アフリカでは奴隷貿易によって1200万人とも推定される成人男女と若年層が連れ去られ、労働力が失われた。この人口の急減が経済や社会に悪影響を与えたとされている。奴隷貿易が最も激しかった地域は、21世紀時点のアフリカで最貧困地域になっている。こうしてヨーロッパと他の地域の経済成長が大きく分かれた現象を、大分岐(英語版)とも呼ぶ。コロンブス交換によって、ヨーロッパからの移住者によるアメリカ大陸の環境破壊も進行した。 18世紀にイギリスで産業革命が進むと石炭の燃焼で環境の変化が顕著になり、17世紀には大気汚染が問題とされ、18世紀には酸性雨が降り、農地や森林の荒廃が起きた。
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