16世紀から17世紀初頭まで
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/12/27 03:23 UTC 版)
「ニードルレース」の記事における「16世紀から17世紀初頭まで」の解説
16世紀初頭まで(おそらく1520年代半ば)以降、17世紀初めまでは、生地の透かしを多くした刺繍やネットに刺繍を施し、室内装飾として重要な役割を果たした。 1580年頃、レースで縁取ったフレーズ(円形の襞襟)が流行し、ヨーロッパの貴族や商人市民階級に流行した。 唯一の例外として、ヴェネツィアでは肩の上に立てた扇形の大きな衿を愛用し、フレーズより価値があるとされた。 フィレンツェでは逆に首を取り巻くもの好まれ、後に前が開いた半フレーズとなった。 フランドルでは、この時代の肖像画によりレースの衿やフレーズが欠くことのできない装飾であることがわかる。16世紀末のフランドルでは、3段または4段のボビンレースのフレーズをつけ、ボンネットはニードルレースであった。 イギリスは過剰な装いの時代であり、エリザベス1世のフレーズは有名である。イギリスの男性はフランス男性と同じに、盆のような形の骨組みの取り付けたニードルレースの四角い大きな衿を好み、衿とお揃いのカフスやスカーフ、ハンカチを身に着けた。 フランス女性は控えめにレースを使い、レースをつける人を美しく見せるところにだけレースをつけた。 フレーズを飾る為には莫大な量のレースが必要となる。衣類や家具の装飾にも多量のレースが用いられ、当時の財産目録には色絹糸や金糸で作られたレースが載っているが、レース自体は殆ど現存していない。絹は麻より劣化しやすく、金属糸は再利用のため鋳鎔かされたと考えられる。
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