13番目のミッション
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「ディスカバリー計画」の記事における「13番目のミッション」の解説
2015年9月30日、NASAは開発するミッションを一つ(ないし二つ)選ぶ最初の段階として、翌年中の細部の改良のために、5つのミッション・コンセプトを一次選出した。各ミッションには、1年間の研究用に300万ドルの資金が支給された。最終候補は、2016年12月頃に選出される予定で、2021年の年末までには打ち上げの準備が整う見通しである。 選ばれた候補は以下の通り: DAVINCI(英語版) (Deep Atmosphere Venus Investigation of Noble gases, Chemistry, and Imaging) - 金星の大気中を63分間降下する間に、金星大気の化学組成を調べるミッション。 VERITAS(英語版) (Venus Emissivity, Radio Science, InSAR, Topography, and Spectroscopy) - 高解像度で金星全球をマッピングし、金星のデジタル標高モデルの生成を計画するミッション。3金星年(金星3公転分)にわたって観測を行う。 サイキ - 金属から成ると考えられている小惑星プシケを調査することにより、惑星の核の起源を探査するミッション。 ネオカム(英語版) (Near-Earth Object Camera; NEOCam) - 地球近傍の未発見の潜在的に危険な天体(小惑星)を探して太陽系内を調査するために設計された宇宙赤外線望遠鏡。 ルーシー - 木星のトロヤ群小惑星を初めて偵察するミッション。いくつかの報道によれば、目標とされる小惑星は、3548 エウリュバテス、21900 オルス、11351 レウコス、および連星の617 パトロクロスとメノイティオス、そして、メインベルトの52246 ドナルドジョハンソンである。 計画上の予算は4億5000万ドルであるが、任意の技術を導入する選択次第では、これにボーナスが付く場合もある: 月よりも遠い距離で、(電波による通信と対比される)宇宙空間レーザー通信システムの実証実験が試みられれば、3000万ドルのボーナスが追加で利用可能となる。 3次元織物熱遮蔽材の実証実験が試みられれば、1000万ドルのボーナスが追加で利用可能となる。 小型の深宇宙原子時計(英語版)を組み込めば、500万ドルのボーナスが追加で利用可能となる。 キセノン・イオンエンジンと放射性同位体ヒーターユニット(英語版)が追加費用なしでミッションに利用可能である。 2017年1月、NASAは上記の候補の中から、サイキとルーシーの2つのミッションを選定したことを発表した。NASAは2013年より小惑星イニシアチブを打ち出しており、その結果2つのミッションがいずれも小惑星という異例の判断になったと推測されている。
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