黒塚 KUROZUKAとは? わかりやすく解説

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黒塚 KUROZUKA

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/09/21 10:02 UTC 版)

黒塚 KUROZUKA
ジャンル 伝奇SF
小説
著者 夢枕獏
出版社 集英社
発売日 2000年8月
漫画:KUROZUKA-黒塚-
原作・原案など 夢枕獏
作画 野口賢
出版社 集英社
掲載誌 オースーパージャンプ
発表号 2002年 - 2006年
アニメ
原作 夢枕獏
監督 荒木哲郎
シリーズ構成 藤岡美暢、白土勉、荒木哲郎
脚本 藤岡美暢、白土勉、梶研吾、森川治
キャラクターデザイン 筱雅律
音楽 吉田潔
アニメーション制作 マッドハウス
製作 ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
放送局 アニマックスBS11
放送期間 2008年10月 - 12月
話数 全12話
テンプレート - ノート
プロジェクト 小説・アニメ
ポータル 文学アニメ

黒塚 KUROZUKA』(くろづか)は、夢枕獏による伝奇SF小説。2002年、野口賢により漫画化され、2008年にはその漫画を原典としたテレビアニメが放送された。

概要

舞台関係者からの「黒塚」を現代アレンジした台本を依頼されたものがいつしか小説化し、数回にて完結させる予定が結局4年の長期連載となった。「黒塚」とは福島県二本松市安達ヶ原にある鬼婆伝説を下敷きにした能の演目の一つである。同じ原作を基にしたものに手塚治虫の『安達が原』がある。

あらすじ

登場人物

※登場人物名シタの:(人物名)はテレビアニメ版における声の出演者。各キャラクターは小説、コミック、アニメで設定が大きく異なる点がある。

主要人物

クロウ/源九郎/九朗坊
声 - 宮野真守
本編の主人公。本名は「源義経」。源頼朝が放った追っ手から逃亡する際に黒蜜と出会い、吸血鬼となる。しかし、完全に吸血鬼化する前に弁慶に裏切られ首をはねられたため、不完全体として百年もすれば体が老化し、新たな身体に取替える必要がある。また、身体を取り替えるたびに全ての記憶を喪失してしまい、全ての記憶が蘇るのは首だけの状態のみである。もともと優れた剣術の持ち主だったが、吸血鬼となったことで高い身体能力や優れた嗅覚を獲得している。
黒蜜(くろみつ)
声 - 朴璐美
本編のヒロイン。「魂蜜」「蜜夜」とも名乗った。類まれなる美女。遠い過去から吸血鬼として生き続けて人を襲い、その血を生きる糧としてきた。その不老不死の謎を暴こうと絶えずある集団から追われており、その年数は数百年にもおよぶ。

赤帝軍

大和坊
声 - 中田譲治
九朗のお供として共に行動している大男。本名は「武蔵坊弁慶」。九朗を慕っていたが、黒蜜に恋慕して九朗を裏切り、鎌倉政府に寝返った。首をはねる際、誤って九朗の血を口に含んでしまい、永遠に身体が老い続けながらも死ぬことがない不完全な不老不死を手に入れてしまう。大破壊後の世界では「赤帝」を名乗って関西を支配し、自らの正体を隠してクロウの支援をした。かつての日本では「水元六蔵」を名乗り鉄鋼会社を経営しつつ、自衛隊に様々な技術支援を行っていたとされる。
アニメ版では、九朗への裏切りを機に黒蜜を追っていた組織へ加入、のひに赤帝軍の長となっている模様。その際、なぜか明治時代に黒蜜達を襲った男と同一人物かのような描写がされている。
ライ
声 - 桑島法子
クロウの監視のため、赤帝に雇われている。三十代前半で、アルマーニの上着を着用している。コミック版では、体内に加速装置を埋め込まれており人間の何倍ものスピードで動ける。白王軍からクロウの救出を試みるも捕らえられ、その前にライの血を飲んでいた彼の血を輸血され、吸血鬼の一員となる。しかし、不死を欲するトンバ率いる暴徒に襲われてしまう。
アニメ版では、赤帝との関わりがなく、最初から埴輪の一員となっている。情報を集めるために娼婦として働いていた模様。
嵐山(あらしやま)
声 - 三木眞一郎
赤帝軍の一員で、原作・コミックには未登場。正体は人間から掛け離れた姿をしている。ナチス・ドイツの親衛隊のような格好をした長身の男。地面から金属の触手のようなものを伸ばして攻撃する。兵を率いて人狩りを行い、捕まえた人間は長谷川の実験材料にされていた。クロウとの戦いに敗れたが、首を切り落とされてなおクロウに攻撃を試みた。
車僧
声 - 銀河万丈
赤帝軍の一員で、原作・コミックには未登場。亀の甲羅を背負った老人の姿をしている。歌を詠むように禅問答をする独特な言い回しが特徴で、催眠術に近い能力を有する。赤帝の城に突入したクロウに「死んでいるのか、生きているのか」と催眠を試みたがクロウには通じず敗北する。
花月
声 - 山像かおり
赤帝軍の一員で、原作・コミックには未登場。若い女の姿をしており、木や蔦を操って人を殺す術を使用。沙仁輪との戦いに勝利したものの、クロウによって致命傷を負わされ、黒蜜に首を折られる。

埴輪

居座魚(いざな)
声 - 井上和彦
大破壊後の日本で武器密売を取り仕切る組織『埴輪』を率いる『埴輪王』の一人。生まれつき両脚より下を持たない薄汚れた老人。電動の車椅子のような乗り物に乗った乞食としてクロウに近付いた。不死の秘密には興味がなく、黒蜜に対して強い憧憬の念を抱いている。
アニメ版で大きく設定が変更され、見た目も若くなっている。大破壊後の世界で目覚めたクロウから、黒蜜を奪った内の一人だった。埴輪の本拠地で厳重に保管されていた御稜威(黒蜜の血液)の力に見入られたが、血の力に耐え切れず自滅する。
トンバ
声 - 魚建
埴輪を率いる埴輪王の一人。小柄で痩せた老人で、関東の埴輪を統括していた。ヘリコプターの操縦などもこなせる。黒蜜たちのために働くが、終盤で不老不死に魅せられたのか、暴徒を率いて赤帝の城を襲撃する。
アニメ版では神楽の長であり、花月によって殺害される。絵の心得があったらしく、酒槽にも彼の絵が置かれていた。
沙仁輪
声 - 藤田淑子
埴輪を率いる埴輪王の一人。黒い和服を着た老女の姿をしている。クロウが抱いている黒蜜への思いを明確にしてやるなど、様々な行動を取っていたが、実は黒蜜の老化した姿であり、赤帝と同じく正体を偽っていた。
アニメ版では神楽の出身で、花弁を使う特殊な力を持つ。花月との戦いに敗北し、黒蜜の腕の中で息を引き取った。
歌留多(かるた)
声 - 藤原啓治
埴輪の一員。ロングコートにスーツ姿という、アメリカの古い刑事ドラマの主役のような風体をしている。その正体は白王軍のスパイであり、沙仁輪とトンバを捕えるために白王軍を埴輪の本拠地に入れてしまう。コミック版ではライと同じくただの人間ではなく、長年の戦闘で身体のほとんどを義肢に変えている。
アニメでは最初から埴輪の一員で、強い仲間を求める内にクロウと出会う。以降、クロウと行動を共にして生き残っている。しかし赤帝の城に突入する際、腹部にけがを負い、そのまま息絶えた。
久遠(くおん)
声 - 入野自由
埴輪の一員。布で顔を隠している。人を雇ってクロウを襲わせた。クロウたちが白王軍に捕まった際にライと共に潜入し、沙仁輪を救出している。実は黒蜜が作ったもう一人の吸血鬼で、首から下は不完全なクロウのために使われるはずだった。大和坊と同じく、黒蜜に強く惹かれたためクロウを憎んでいた。
アニメでは赤帝軍によって誕生したクロウのクローン。顔は隠しておらず、ライや歌留多とも面識があった。原作ではクロウと同じく日本刀を用いたが、拳銃を使用する。普段は無口だが、赤帝城突入前に歌留多が口にした、子どものころ好きだったアニメの話題に即座に反応するという意外な一面を見せた。

白王軍

白王
関東全域を支配する白王軍の長。大破壊後の日本で自衛隊を指揮した白井という男の子孫(現在の白王は三代目)。人を喰うといううわさがある。クロウや黒蜜の不老不死の秘密を知るべく埴輪を襲撃させた。クロウたちが脱出する際に人質となって東北に連れ去られたが、沙仁輪が黒蜜の姿を取り戻すために血を吸われて殺された。
コミック版における外見はクロウ同様の若者となった。本来の名は「イサム」、原作で歌留多と同じく埴輪の一員にして白王軍のスパイだった男と同じ名である。クロウに匹敵する超人的な力と様々な超能力を持つが、実は彼の遺伝子から再生されたクローンで、二十年の寿命を設定されている。先代白王の子どもとして名を引き継ぎ、自らの力を背景に暴君として君臨していた。二度も首を落とされたが、吸血鬼の力によって蘇生している。
長谷川
声 - 大川透
白王の部下。医者としてクロウの検査を行った。原作・コミック・アニメで外見が全て異なっている。
コミック版ではライと同じく体内に加速装置を備えていたが、白王の返り討ちにあった。
アニメでは赤帝軍の一員で、捕えた人間を使い捨てに実験を行っている。嵐山、車僧、花月はその実験の過程で生み出された。

コミック版のみ登場

タツヤ
白王と同じくクロウのクローン。腕から刃を生やして攻撃するほか、テレポートの超能力も有する。白王候補だったが、これを拒否して隠匿していた。既に二十年の寿命がつきかけており、薬を飲んで抑えていた。シェラをイサムに託し、そのまま消滅する。
シェラ
幼い少女の姿をしており、タツヤと共に白王軍から逃れていた。黒蜜のクローンで、非常に強い超能力を持つが、身体はそれほど強くない。彼女をはじめ吸血鬼のクローンは、オリジナルに会うことで寿命を延ばせると考えていた。赤帝軍の崩壊後、蘇生した白王(イサム)と共に黒蜜を追う旅に出た。
水元六蔵
赤帝と瓜二つの外見をしており、凄まじい膂力を備えている。白王と交渉するために城へ乗り込んだ。水元六蔵とは大破壊前における赤帝の名であり、白王は赤帝だと認識していたが、実際は赤帝のクローンだった。

その他

車椅子の老人
声 - 松山タカシ
車僧の暗示で登場した男で、実在の人物ではない。姿形はコミック版で設定された居座魚のそれが流用されている。
黒づくめの男
声 - 滝口順平
コミック、アニメに登場。空襲を受けた東京で隠れていたクロウと黒蜜を追い掛けた。肥満体に見えるが、身体に鉄を埋め込んでおり、銃弾程度なら弾き返すことが可能。覚醒したクロウに殺される。

コミック

2002年から2006年まで『KUROZUKA-黒塚-』のタイトルで集英社オースーパージャンプにて連載。

テレビアニメ

2008年10月から12月までアニマックスBS11にて放送。キャラクターデザインは一部コミック版に準拠しているが、ストーリーや設定が大きく異なる。

スタッフ

主題歌

オープニングテーマ
「SYSTEMATIC PEOPLE(featuringマキシマムザ亮君(マキシマム ザ ホルモン))」(アルバム『HAKAI』収録)
作詞・作曲 - KYONO / 歌 - WAGDUG FUTURISTIC UNITY
エンディングテーマ
「ハナレバナレ」(ミニアルバム『共鳴』収録)
作詞・作曲・歌 - シギ

各話リスト

話数 サブタイトル 脚本 絵コンテ 演出 作画監督
1 安達原 藤岡美暢 荒木哲郎 平尾みほ 高炅楠
2 因縁塚 梶研吾 伊硲清隆 熊澤祐嗣 清水博明
3 明日香 白土勉 伊藤智彦 あべたくじ、村田睦明
4 埴輪人 森川治 政木伸一 佐久間健
5 沙仁輪 白土勉 許平康 若野哲也
6 御稜威 浜崎博嗣 おゆなむ
平尾みほ
金紀社、高炅楠
7 神楽村 森川治 伊硲清隆 小野田雄亮
羽生尚靖
清水博明、松岡秀明
島崎克実、津熊健徳
小谷杏子
8 鬼哭蔦 梶研吾 政木伸一 佐久間健、仲田美歩
9 走風火 藤岡美暢 平尾隆之 今村大樹、あべたくじ
村田睦明
10 幻影城 梶研吾 笹木信作 北川正人 山本正文
11 戦輪廻 浜崎博嗣 室谷靖 若野哲也、宮井加奈
坂本龍典
12 黒乃塚 白土勉 荒木哲郎 香月邦夫、今村大樹
高炅楠

放送局

放送地域 放送局 放送期間 放送日時 放送系列 備考
日本全域 アニマックス 2008年10月7日 - 12月23日 火曜 22時00分 - 22時30分 CS放送 『LEVEL22』→『BLACK ANIMAX』枠
リピート放送あり
BS11 2008年10月11日 - 12月27日 土曜 23時30分 - 24時00分 BSデジタル放送 ANIME+』枠

外部リンク

アニマックス 『LEVEL22』 火曜22時00分枠/ BS11ANIME+』 土曜23時30分枠
前番組 番組名 次番組
黒塚
KUROZUKA




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