黎明期の共産主義思想
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コミュニズム(共産主義)という言葉の由来はラテン語の「communis(コムニス)」であり、共有、共通、共同 を意味する。歴史的に最も早い使用例はシルヴィ父子によって書かれた『理性の書』(1706年)である。私有財産の否定による完全平等の実現という現在使われる文脈とほぼ同じ意味でコミュニズム(共産主義)という語を用いた最初の人物はフランソワ・ノエル・バブーフである。バブーフは後に「共産主義の先駆」とも呼ばれ、また前衛分子による武装蜂起や階級独裁などの革命思想の概念の先駆者の一人でもある。またルイ・オーギュスト・ブランキも武装した少数精鋭の秘密結社による権力の奪取や人民武装による独裁といった概念を主張した。 その後、フランスにおいて社会主義や共産主義などの思想が広まった。1842年に出版されたローレンツ・フォン・シュタインの著作『今日のフランスにおける社会主義と共産主義』がその概要をドイツに伝え、マルクスやエンゲルスもそれによってフランスの思想状況を知った。 エンゲルスは『空想から科学へ』の中で次のように述べた。 「大きなブルジョア運動がおこるたびごとに、近代的プロレタリアートの、多少とも発展した先駆者である階級の、自主的な動きがいつも現われた。たとえば、ドイツの宗教改革と農民戦争との時代における再洗礼派とトマス・ミュンツァー、イギリス大革命における平等派(レヴラーズ)、フランス大革命におけるバブーフがそれである。まだ一人前になっていなかった階級のこれらの革命的蜂起とならんで、それにふさわしい理論的表明がおこなわれた。一六、一七世紀には理想的社会状態の空想的な描写が、一八世紀にはすでにあからさまな共産主義理論(モレリーとマブリー)が現われた。」
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