黎明期のリアエンジン車
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/04 04:23 UTC 版)
「リアエンジン」の記事における「黎明期のリアエンジン車」の解説
ガソリン自動車が発明された初期には、動力伝達のための技術が未熟で、駆動輪である後輪至近にエンジンを搭載する必要から、リアエンジン方式にあたるレイアウトを採った自動車がほとんどであった。最初のガソリン車とされる1888年のダイムラー車、ベンツ車はいずれもリアエンジンであり、その後1900年頃までリアエンジンは自動車の主流であった。 ドイツで「ベテラン期」と時代分類されるこの頃のクラシックカーでは多くの場合、乗客たちは後車軸上に搭載されたエンジンの更に上に座席を設けて搭乗していたようなもので、当時の自動車の後輪の多くが大径車輪であった影響もあって、重心は高くなった。 これを克服するため、1891年にフランスのパナール・ルヴァッソールが車体前方にエンジンを搭載して後輪を駆動する「パナール・システム」と呼ばれるフロントエンジン・リアドライブ方式(FRと略される)を考案して低重心化と操縦安定性の向上を実現し、更に同じフランスのルノーが1898年にプロペラシャフトを介して効率よく後輪を駆動する「ダイレクト・ドライブ」を開発したことでFR方式の優位性が確立される。 この結果、市場の大勢は1900年代中期までにより高性能なFRへと移行し、重心が高く不安定なリアエンジン方式は一時忘れられた技術となった。
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