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高橋泰邦(たかはし・やすくに)


高橋泰邦

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/08/01 06:05 UTC 版)

(たかはし やすくに、1925年5月31日 - 2015年2月12日)は、日本翻訳家小説家

日本推理作家協会会員。日本トール・シップ・クラブ会長。バベル・ユニヴァーシティー講師。

概要

東京市(現在の文京区)生まれ。1947年に、早稲田大学理工学部機械学科を中退。

1951年にNHK芸術祭参加懸賞放送劇佳作入選。1955年に講談社百万円懸賞小説佳作入選。以後、作家、翻訳家として活動。

翻訳、創作とも、ミステリ・海洋小説を主な対象とした。また、若手推理作家の親睦団体「他殺クラブ」に参加。

作家としては、1970年に短編「偽りの晴れ間」が、1971年に長編『軍艦泥棒』が日本推理作家協会賞の候補となった。

1972年より日本翻訳専門学院講師をつとめる[1]。 SF、ノンフィクションも含む翻訳書は多数あるが、「ホーンブロワーシリーズ」「ボライソーシリーズ」「オーブリー&マチュリンシリーズ」等の「帆船時代を舞台とした海洋冒険小説」の翻訳者として、最もよく知られている。

2003年、米イオンド大学名誉博士(海洋文学)[2]

2015年2月12日、虚血性心不全のため死去[3]。89歳没。

著書

  • 『大暗礁』(光風社) 1961
  • 『衝突針路』(早川書房、日本ミステリ・シリーズ2) 1961、のち光文社文庫
  • 『紀淡海峡の謎』(荒地出版社) 1962
  • 『賭けられた船』(講談社) 1963、のち光文社文庫
  • 『黒潮の偽証』(東都書房) 1963、のち光文社文庫
  • 『海の弔鐘』(文藝春秋新社) 1965、のち光文社文庫
  • 『海底基地SOS』(毎日新聞社) 1970、のちソノラマ文庫
  • 『偽りの晴れ間』(講談社) 1970、のち徳間文庫
  • 『軍艦泥棒』(月刊ペン社) 1971、のちソノラマ文庫
  • 『サドン・デス』(祥伝社) 1973、のち徳間文庫
  • 『日本語をみがく翻訳術 翻訳上達の48章』(日本翻訳家養成センター) 1982
  • 『南溟の砲煙』(光人社) 1983、のち光人社NF文庫
  • 『南溟に吼える』(光人社) 1986
  • 『永遠の帆船ロマン ホーンブロワーと共に』(雄文社) 1990
  • 『群狼の海』(光人社) 2000

翻訳

  • 『21世紀潜水艦』(フランク・ハーバート、早川書房) 1958
  • 『大真空』(チャールズ・E・メイン、早川書房) 1959
  • 『恐ろしい玩具』(E・S・ガードナー、早川書房) 1959、のち早川文庫
  • 『海底牧場』(アーサー・C・クラーク、早川書房) 1960、のち早川書房世界SF全集、のち早川文庫
  • 毒入りチョコレート事件』(アンソニー・バークリー、東都書房) 1962、のち創元推理文庫
  • 『宇宙行かば』(マレイ・ラインスター、早川書房) 1963
  • 『うまい犯罪、しゃれた殺人』(ヘンリー・スレッサー、早川書房) 1964、のち早川文庫
  • 『ママに捧げる犯罪』(ヘンリイ・スレッサー、早川書房) 1964、のち早川文庫
  • 『壜づめの女房』(マイクル・フェッシャー、早川書房、異色作家短篇集) 1965
  • 『クレムリンの密書』(ノエル・ベーン、早川書房) 1966、のち早川文庫
  • おしゃれ泥棒』(マイクル・シンクレア、早川書房) 1966
  • 『原子力潜水艦ドルフィン』(アリステア・マクリーン、講談社) 1966
  • ローズマリーの赤ちゃん』(アイラ・レヴィン、早川書房) 1967、のち早川文庫
  • カスター将軍の最期』(ディヴィッド・H・ミラー、早川書房) 1967
  • 『空軍武官ウェンネルストローム 暗号名“鷲"』(トマス・ホワイトサイド、早川書房) 1967
  • 『鍵』(ヤン・デ・ハルトグ、講談社) 1967
  • 『ミクロ潜航作戦』(アイザック・アシモフ、早川書房) 1967
    のち改題『ミクロの決死圏』(早川文庫)
  • 『大統領専用機行方を断つ』(ロバート・J・サーリング、早川書房) 1968、のち早川文庫
  • 『メリー・ディア号の遭難』(ハモンド・イネス、講談社) 1968、のち早川文庫
  • シービュー号と海底都市』(ポール・W・フェアマン、東京創元新社) 1968
  • 『スハイリ号の孤独な冒険』(R・ノックス・ジョンストン、草思社) 1970
  • 『幽霊船』(ロビン・モーム、月刊ペン社) 1970
  • 『地の果てから来た怪物』(マレイ・ラインスター、創元推理文庫) 1970
  • 『金曜日ラビは寝坊した』(ハリイ・ケメルマン、早川書房) 1972、のち早川文庫
  • 『恐怖の第22次航海』(L・ウェア、学習研究社) 1972
  • 『北極基地潜航作戦』(アリステア・マクリーン、早川書房) 1973、のち早川文庫
  • 『原潜919浮上せず』(ディヴィッド・ラヴァリイ、早川書房) 1975、のち早川文庫
  • イルカの島』(アーサー・C・クラーク、角川文庫) 1976
  • 『スプレー号世界周航記』(ジョシュア・スローカム、草思社) 1977.7、のち中公文庫
  • スコット』(ピーター・ブレント、草思社) 1979.3
  • 『砲艦ワグテイル』(ダグラス・リーマン、パシフィカ) 1979.4、のち西武タイム、のち創元推理文庫
  • 『黒い海の怒り』(バージル・ジャクソン、朝日新聞社) 1980.8

エド・マクベイン作品

  • 『ハートの刺青』(エド・マクベイン、早川書房) 1960、のち早川文庫
  • 『電話魔』(エド・マクベイン、早川書房) 1962、のち早川文庫
  • 『斧』(エド・マクベイン、早川書房) 1964、のち早川文庫
  • 『灰色のためらい』(エド・マクベイン、早川書房) 1965、のち早川文庫

「TERRAの工作員」シリーズ

  • 『空飛ぶ円盤 TERRAの工作員1』(ラリー・マドック、東京創元社) 1971
  • 『黄金の女神 TERRAの工作員2』(ラリー・マドック、東京創元社) 1971
  • 『エメラルドの象 TERRAの工作員3』(ラリー・マドック、創元推理文庫) 1972
  • 『タイム・トラップ TERRAの工作員4』(ラリー・マドック、創元推理文庫) 1976

セシル・スコット・フォレスター作品

  • 『海軍士官候補生』(セシル・スコット・フォレスター筑摩書房) 1969、のち早川文庫、のち世界ロマン文庫
  • 『スペイン要塞を撃滅せよ』(セシル・スコット・フォレスター、早川文庫) 1973
  • 『トルコ沖の砲煙』(セシル・スコット・フォレスター、早川文庫) 1974
  • 『パナマの死闘』(セシル・スコット・フォレスター、早川文庫) 1974
  • 『勇者の帰還』(セシル・スコット・フォレスター、早川文庫) 1975
  • 『決戦! バルト海』(セシル・スコット・フォレスター、早川文庫) 1976
  • 『セーヌ湾の反乱』(セシル・スコット・フォレスター、早川文庫) 1977.4
  • 『海軍提督ホーンブロワー』(セシル・スコット・フォレスター、早川文庫) 1978.5
  • 『ホーンブロワーの誕生』(セシル・スコット・フォレスター、早川文庫) 1978.9
  • 『巡洋艦アルテミス』(C・S・フォレスター、パシフィカ) 1979.2、のち西武タイム
  • 『たった一人の海戦』(C・S・フォレスター、パシフィカ) 1979、のち徳間文庫
  • 『ナポレオンの密書』(セシル・スコット・フォレスター、光人社) 1984.9、のち早川文庫

「海の風雲児 Fox」シリーズ

  • 『ナーシサス号を奪還せよ』(アダム・ハーディ、三崎書房) 1978.5
  • 『全艦エジプトへ転進せよ』(アダム・ハーディ、三崎書房) 1978.7
  • 『レバント要塞を死守せよ』(アダム・ハーディ、三崎書房) 1979.7
  • 『マリアの秘宝を奪取せよ』(アダム・ハーディ、三崎書房) 1980.3
  • 『憧れのセールを展翻せよ』(アダム・ハーディ、三崎書房) 1981.7
  • 『スペイン戦艦を強奪せよ』(アダム・ハーディ、三崎書房) 1982.8

パトリック・オブライアン作品

  • 『闘う帆船ソフィー』(パトリック・オブライアン、パシフィカ) 1979.5
  • 『激闘! 地中海』(パトリック・オブライアン、徳間書店) 1993.10
  • 『燃えるバルセロナ沖』(パトリック・オブライアン、徳間書店) 1993.11
  • 『新鋭艦長、戦乱の海へ』(パトリック・オブライアン、早川文庫) 2002.12
  • 『特命航海、嵐のインド洋』(パトリック・オブライアン、早川文庫) 2003.9
  • 『南太平洋、波瀾の追撃戦』(パトリック・オブライアン、早川文庫) 2004.1

「海の勇士 リチャード・ボライソー」シリーズ

  • 『若き獅子の船出』(アレグザンダー・ケント、早川文庫) 1980.1
  • 『革命の海』(アレグザンダー・ケント、早川文庫) 1980.8
  • 『わが指揮艦スパロー号』(アレグザンダー・ケント、早川文庫) 1981.6
  • 『栄光への航海』(アレグザンダー・ケント、早川文庫) 1982.4
  • 『南海に祖国の旗を』(アレグザンダー・ケント、早川文庫) 1983.2
  • 『反逆の南太平洋』(アレグザンダー・ケント、早川文庫) 1985.9
  • 『激闘、リオン湾』(アレグザンダー・ケント、早川文庫) 1987.10
  • 『白昼の近接戦』(アレグザンダー・ケント、早川文庫) 1991.1
  • 『危うし、わが祖国』(アレグザンダー・ケント、早川文庫) 1993.10
  • 『孤高の提督旗』(アレグザンダー・ケント、早川文庫) 1994.6
  • 『栄光の艦隊決戦』(アレグザンダー・ケント、早川文庫) 1995.9
  • 『最後の勝利者』(アレグザンダー・ケント、早川文庫) 1996.7
  • 『大暗礁の彼方』(アレグザンダー・ケント、早川文庫) 1997.2
  • 『復讐のインド洋』(アレグザンダー・ケント、早川文庫) 1998.1
  • 『海軍大将ボライソー』(アレグザンダー・ケント、早川文庫) 1999.2
  • 『聖十字旗のもとに』(アレグザンダー・ケント、早川文庫) 1999.12
  • 『提督ボライソーの最期』(アレグザンダー・ケント、早川文庫) 2000.11
  • 『決然たる出撃』(アレグザンダー・ケント、早川文庫) 2002.3
  • 『難攻不落、アルジェの要塞』(アレグザンダー・ケント、早川文庫) 2003.2
  • 『無法のカリブ海』(アレグザンダー・ケント、早川文庫) 2005.1
  • 『若き獅子の凱歌』(アレグザンダー・ケント、早川文庫) 2006.1

脚注

  1. ^ 日外アソシエーツ現代人物情報
  2. ^ 朝日新聞人物データベース
  3. ^ 訃報:高橋泰邦さん89歳=翻訳家、作家 毎日新聞 2015年3月11日

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