食生活の規定
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/06 15:33 UTC 版)
地中海沿岸の文化では、古代からさまざまな種類の麦を中心とした穀物が料理の主役だった。ポリッジやグリュエル(薄い粥または重湯)、そして後にはパンが主食となり、大部分の人のカロリー摂取の多くを占めていた。8世紀から11世紀に懸けて食事の中で穀物が占める割合は1⁄3から3⁄4にまで高まった。中世を通して穀物への依存度は高く、その傾向はキリスト教の興隆にともない北方へも広がった。しかし冷涼な地域では、穀物は高価で手の届かない場合も多く、上流階級のものとされていた。聖餐式などの宗教儀式のなかでパンが中心的な役割を果たしていることから食品の中でパンが特に高い地位を与えられていたことが分かる。他にこのような価値を持つ食品はオリーブオイルとワインのみだったが、両方ともオリーブやブドウが栽培できる温かい地域以外では非常に高価だった。生命と財産の象徴としてのパンの例をアウグスティヌスの説教に見出すことができる。 「 このパンとはあなたの歴史のことです … あなたは主の脱穀の場に運ばれ脱穀されます … 教義を教わる(カテキズム)前のあなたは穀倉に蓄えられている穀物のようなものです … 洗礼盤であなたは一つのパン生地となります。聖霊のオーブンで焼かれてあなたは神の本物のパンとなります。 」
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