食・毒性と成分
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/04 00:04 UTC 版)
致死性の猛毒を有するニセクロハツに酷似するため、同定には細心の注意を払う必要がある。クロハツは古くから食用菌として親しまれていたが、近年の図鑑には有毒と分類しているものもあり、ニセクロハツとの判別が困難なことからも食用は推奨されない。古い文献においては、肉質はぼそぼそしているがよいダシが出て美味などと書かれていることもある。 クロハツは、子実体を傷つけると傷口がまず赤く変色し、その後で徐々に黒変するのに対し、ニセクロハツでは赤く変色したままで留まり、黒色にはならない点で区別されるが、この変色性の強さや速さは、子実体の生長段階の違いや発生環境の条件などによって影響されるため、変色性のみによって両者をはっきり区別することは、しばしば難しい。 クロハツの子実体の変色性は、チロシンの酸化に起因するとされている。なおクロハツの子実体からは、エラグ酸の誘導体の一種であるニグリカニン(Nigricanin)が単離されている。
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食・毒性と成分
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/20 06:12 UTC 版)
液化する前の幼菌は食用になり美味であるとされるが、酒類を飲む前後に食べると中毒症状を呈する。含有成分コプリンの代謝生成物1-アミノシクロプロパノールはジスルフィラム様作用を持ち、体内のアルデヒド脱水素酵素を阻害する。エタノールは代謝過程においてアセトアルデヒドを経由して酢酸へと代謝されるが、この酢酸への変換にかかわるのがアルデヒド脱水素酵素である。この結果、アセトアルデヒドが血中に蓄積するために、著しい悪酔い症状様の中毒症状を起こすこととなる。コプリンの作用が体内から消えるまで、食後一週間程度は飲酒を控えたほうが良い。コプリンと同様のエタノール代謝阻害作用による中毒を起こす美味なキノコとしては、他にホテイシメジ(成分はオクタデセン酸などの共役エノン、ジエノン類)、キララタケが知られている。中毒症状は通常は4時間以内に、自然に回復する。食用されるササクレヒトヨタケにはコプリンは含まれない。 さっとゆでて、ねぎぬたや三杯酢、山椒や柚の香りの吸い物などに適する。特に脂質との相性がよいので大量に収穫した場合は肉とのバター炒めにしてもよい。
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