飛行実績
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/26 02:28 UTC 版)
「ヴァイキング (ロケット)」の記事における「飛行実績」の解説
ヴァイキング4号以外はニューメキシコ州ホワイトサンズ・ミサイル実験場から発射された。 ヴァイキング1号は入念な地上試験の後に1949年5月3日に発射され、高度50マイル (80 km)に到達した。タービンポンプケーシングからの蒸気漏れによりエンジンが予定より早く停止したため、高度は伸びなかった。 1949年9月6日のヴァイキング2号はヴァイキング1号と同じ原因で予定より早くエンジンが停止したため、到達高度はわずか32マイル (51 km)だった。エンジンの不調の原因は、いずれもタービンポンプケーシングが溶接ではなくボルト接合で作られていたためであった。 ヴァイキング3号は1950年2月9日に打ち上げられた。再設計された誘導システムを搭載していたが、動作が不安定で射場外に飛び出す恐れがあったことから地上からのコマンドで停止され、高度は50マイル (80 km)に留まった。 ヴァイキング4号は1950年5月11日に赤道付近でミサイル試験艦 USS ノートン・サウンドから打ち上げられた。到達高度は105マイル (169 km)でペイロード重量から想定される最大高度に近い値となり、ほぼ完璧な打ち上げであった。誘導システムはヴァイキング1号および2号と同じものが使用された。 ヴァイキング5号は1950年11月21日に打ち上げられ、高度108マイル (174 km)に到達した。エンジン出力が5%ほど低かったため、正常ならもう少し高高度まで到達できたと考えられた。 ヴァイキング6号は1950年12月11日に打ち上げられた。動力飛行の末期に安定翼が故障して高度制御ができなくなり、大きな抗力を受けたため到達高度は40マイル (64 km)に留まった。 ヴァイキング7号は1951年8月7日に打ち上げられ、V2を上回る高度136マイル (219 km)に到達した。原設計に基づくヴァイキングの最終飛行で最高高度を達成した。 ヴァイキング8号は1952年6月6日に打ち上げられた。改設計に基づく最初のロケットであったが、地上試験中に誤って飛び上がったため失われた。地上からのコマンドで停止される前に高度4マイル (6.4 km)に到達した。 ヴァイキング9号は1952年12月15日に打ち上げられ、高度136マイル (219 km)に到達した。改設計で初めて成功した。 ヴァイキング10号は1953年6月30日の打ち上げ時にエンジンが爆発した。再製作されて1954年5月7日に改めて打ち上げられ、高度136マイル (219 km)に到達した。 ヴァイキング11号は1954年5月24日に打ち上げられた。到達高度158マイル (254 km)は当時の西側諸国の単段式ロケットの最高記録であった。上空からの地上の写真撮影と再突入体の試験が行われた。 ヴァイキング12号は1955年2月4日に打ち上げられた。再突入体の試験と写真撮影、大気調査が行われた。高度143マイル (230 km)に到達した。 このほか、ヴァイキング9号から12号と類似した設計の機体が2機、ヴァンガード計画の試験機として打ち上げられた。いずれもケープカナベラル空軍基地から打ち上げられ、1956年12月8日に打ち上げられたものはヴァンガードTV0、1957年5月1日に打ち上げられたものはヴァンガードTV1と呼ばれた。
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