風呂給湯器(追焚付給湯器)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/18 20:01 UTC 版)
「ガス機器」の記事における「風呂給湯器(追焚付給湯器)」の解説
給湯栓への給湯機能だけではなく、浴槽の湯を沸かす風呂釜機能を合わせ持ったものをこう呼ぶ。現在販売されているすべての機種はガス風呂給湯器が自動湯張り機能を持ち、スイッチを押すだけで規定量のお湯を浴槽に溜めることができる。さらに、一定時間ごとに浴槽内の湯を追い焚きすることで、設定温度を保つこともできる。現在では自動湯張り機能のない標準タイプ(過去においては、自動湯張り機能のないものが標準的であったためこの名称)のガス風呂給湯器は販売されていない。 自動湯張り機能には2種類あり、フルオートとオートの区別がある。両者の機能違いは、湯張り完了後浴槽内の水位が下がった際に、自動で足し湯をするかどうかである。フルオート機種は自動足し湯を行うため、常に浴槽内の水位を一定に保つことができるのに対し、オート機種は最初の湯張りのみが自動で、仮にその後水位が下がっても、手動で回復させない限り水位は下がったままとなる。この動作の違いは、湯張り機能の原理の違いによる。この違いが顕著に現れるのが、自動湯張り開始時に浴槽内に水が残っている場合である。いずれの機能の風呂給湯器も、運転開始時に循環ポンプを稼働させ、まず浴槽内に残湯があるかどうかを判定する。残湯がないと判断されれば、あらかじめ設定された量の湯を浴槽内に供給する。このため、浴槽が空の場合の湯張りには、両者の動作にほとんど違いは見られない。 これに対して浴槽内に残湯があった場合には、機能の違いが生じることとなる。フルオートの機種は運転開始時に循環ポンプを稼働させ、その時追い焚き配管にかかる圧力を測定することにより、浴槽内での残湯の高さを計測する(水位センサー方式)。このため、不足分を容易に計算することができ、浴槽内に残り湯があった場合でも、ほぼ正確に湯張り機能を働かせることができるだけではなく、水位が下がっても自動で足し湯を行うことで設定水位に戻すことができる。一方オート機能の機種は、循環ポンプを作動させた時に残湯があれば、一旦追い焚き動作に入る。一定の熱量を加えたあとで浴槽内の湯の温度上昇がどれだけであったかを測定し、それをもとに残湯の量を計算するという間接的な方法(熱量演算方式)を取るため厳密な正確さには欠け、残湯がある時の自動湯張りの水位にばらつきが生じる。また、浴槽の水位を測定できないため、自動足し湯をすることができない。 設置フリー 風呂給湯器のうち、浴槽と給湯器をφ10~12.5程度の2本の樹脂管や銅管等で接続し、浴槽内の湯をポンプで強制的に循環させることで追い焚きを行うタイプをこう呼ぶ。ポンプで循環させることにより、給湯器本体を浴槽の近辺に設置する必要が無くなるため、この名称が付けられた。浴槽から給湯器まで10m以上の距離を取ることが可能ではあるが、距離が長ければ当然熱の損失も多くなるため、経済的ではなくなる。 ポンプで強制的に循環させるため浴槽内の温度ムラがなく、正確な沸かし上げができる。 隣接設置 給湯器本体と浴槽を壁1枚のみを隔てて設置するもので、浴槽と給湯器を直接φ45程度の2本のゴムパイプなどで接続するタイプをこう呼ぶ。以前は自然対流による追い焚きであったが、近年ではポンプによる強制循環方式のものが主流を占めるようになった。
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