風呂敷_(落語)とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > 風呂敷_(落語)の意味・解説 

風呂敷 (落語)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/02 15:39 UTC 版)

ナビゲーションに移動 検索に移動

風呂敷(ふろしき)は古典落語の演目の一つ。別題は風呂敷間男(ふろしきまおとこ)。主に東京落語で広く演じられる。

概要

原話は諸説あり、1855年安政2年)に刊行された笑話集『落噺笑種蒔』の一編「みそかを」ともいわれるが、『百花園』第7巻74号には初代三遊亭圓遊が台湾の話を翻案した[1]とある。

上記の別題からわかるように、元は艶笑落語(バレ噺)であったが、昭和の戦時中に「禁演落語」として自粛対象となったことをきっかけに、エロティックな要素を排した滑稽噺としての演じ方が成立した。

主な演者に、初代柳家小せん5代目古今亭志ん生らが知られる。

あらすじ

以下は5代目志ん生の演じ方に準じる。

お崎が夫・熊五郎の帰りを待つ長屋に、幼なじみの半七が遊びに来る。ふたりで語り合っていると、「おい、今帰(けえ)った」と戸を叩く熊五郎の声がする。熊五郎は飲み込みが悪く、嫉妬深く、粗暴であったため、お崎は「不倫と勘違いされて殺されかねない」と恐れるあまり、とっさに半七を押し入れ(あるいは、戸棚)に隠す。お崎は、熊五郎が眠った隙に半七を逃がそうと考えたが、酒に酔っている熊五郎は、「なぜ予定より早く帰って来たの」と問うお崎に対し、「貞女は屏風にまみえず(=貞女は両夫にまみえず)」「女は三階に家なし(=女は三界に家なし)」などと、覚え間違いの訓戒を垂れるうえ、押し入れをふさぐような形で横になり、寝込んでしまう。

困ったお崎のもとに、鳶頭(かしら)の政五郎がやって来る。ことの次第を聞いた政五郎は、隣の家から1枚の風呂敷を借り、お崎を外出させ、熊五郎をゆさぶり起こす。

「ああ、かしら。お崎はどうしました」「買い物に行ったよ。ところで、面白い話があるんだ。今日、友達の家(うち)に行ったらな、おかしな話があったんだよ。そこのカミさんが留守番をしていると、そこへ、幼なじみが遊びに来た。乱暴者の亭主の手前、追い返そうとしたカミさんだが、結局男を家に入れた」「悪いアマ(=女)だ! 俺が亭主だったら、張り倒してやりますよ」「そうか。まあ、その幼なじみと一献まじえていると、亭主が不意に帰ってきたと思え。で、そのカカアがあわ食って(=あわてて)、押し入れに男を隠しちまった。すると、亭主が酔っぱらって、その前に寝ちまった」「そりゃ、困ったろうな」「そこで、俺がカミさんに頼まれて、そいつを逃がしてやったんだ」「どうやったんです」「寝ころんでたやつを、首に手をかけて起こして、よそ見をされちゃいけないから、脇から風呂敷を持ってきて亭主の顔へ……」政五郎は、熊五郎の顔に「こう巻き付けて……」と言いながら風呂敷を巻く。

「そこでな、俺は戸を、こういう塩梅(あんばい=具合)に、ガラリ、と開けた」戸が開け放たれ、半七が転がり出る。「おい、拝んでねえで早く逃げろ、……と目で合図をして。下駄なんかを忘れるな! ……と声をかける」「へえ」「そいつが影も形もなくなったら、戸を閉めて、それから亭主にかぶせた風呂敷を、こうやって……」政五郎が熊五郎の顔から風呂敷を取ると、熊五郎は膝をたたき、

「なるほど、そいつはいい工夫だ」

エピソード

脚注

  1. ^ 延広真治編 『落語の鑑賞201』143頁 新書館、2002年、ISBN 4403250645
  2. ^ DVD『古典落語名作選 其の一』NHKエンタープライズ

「風呂敷 (落語)」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「風呂敷_(落語)」の関連用語

風呂敷_(落語)のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



風呂敷_(落語)のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの風呂敷 (落語) (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS