お見立てとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 丁寧表現辞書 > お見立ての意味・解説 

お見立て

読み方:おみたて

名詞見立て」に、接頭辞「お」がついたもの。
丁寧表現の辞書はプログラムで機械的に活用形や説明を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ

お見立て

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/15 06:44 UTC 版)

お見立て』(おみたて)は古典落語の演目。『お見立』とも表記される[1]。別題に『墓違い』(はかちがい)[2]上方落語では『手向け茶屋』(たむけぢゃや)の題で演じられる[要出典]

田舎者の客を嫌う花魁が、会いたくない言い訳に「自分が死んだ」という嘘を伝言させたため、客がその墓を見せろと言って起きる騒動を描く。吉原遊廓を舞台にした、いわゆる「廓噺(くるわばなし)」のひとつ。

原話は、1808年文化5年)に出版された笑話本『噺の百千鳥』の一編「手くだの裏」[要出典]武藤禎夫は、文化8年(1811年)刊行の『種が島』に掲載された同題の「手くだの裏」(田舎の僧侶の客を嫌う遊女(新造)が、自分は死んだと伝えさせると、僧が「それでは戒名を授けよう」とそれを書いて退散し、後で戒名を見ると「毎夜名代新造[注釈 1]」と書かれていたという内容)を「原話と見られる」としている[1]

主な演者に6代目春風亭柳橋3代目古今亭志ん朝桂歌丸古今亭志ん輔らが知られる[要出典]

1940年9月に当時の講談落語協会が警視庁に届ける形で口演自粛を決定した禁演落語53演目に含められた[3][4]

あらすじ

基本的に演者はまず、かつての吉原遊廓における「張り見世」の説明を行う。これは遊女たちが、妓楼の大きな格子窓から、通りに向かって姿を見せて客を呼ぶものであり、男性店員である妓夫(俗に牛太郎)が「よろしいのをお見立て願います」と口上を言いながら通行人に声をかけ、客引きを行うのが一般的であった。ここから遊女を選ぶことを「お見立て」と読んだ。

ある富農で田舎者の客・杢兵衛(もくべえ)が、花魁の喜瀬川に惚れ込み、通い詰めるようになっていたが、彼女はその客が嫌いであり、次に来たら病気だといって断るように店の妓夫・喜助に命じる。その杢兵衛が来たので喜助は言われた通りにするが、彼はそれなら見舞いをしたいと言い出す。困って喜瀬川に相談しに行くと、それなら亡くなったことにしなさいと言われ、その通りにすると、今度は墓参りがしたいと言い出す。再び相談された喜瀬川は、適当な墓を自分の墓に見せかけて済ませなさいと命じる。

喜助は杢兵衛を案内して適当な寺に連れていく。墓石に彫られた墓碑銘を誤魔化すため、大量の仏花と線香を寺番から買い、適当な墓をここが喜瀬川の墓ですといってさっさと終わらせようとする。しかし、うっかり墓碑銘を読まれてしまい、喜瀬川の墓ではないと気づかれてしまう。間違えましたと別の墓に案内するが、もはや杢兵衛も最初から墓碑銘を確認するようになっており、騙されることはない。次々と違う墓に案内されて、業を煮やした杢兵衛は「いったい本物の墓はどれだ」と問い詰めると、喜助は言う。

「よろしいのをお見立て願います」

脚注

注釈

  1. ^ 「名代新造(みょうだいしんぞう)」とは、客を取っている最中の遊女になじみ客が訪問したときに、自分の代理(名代)として時間つなぎに接待をさせる遊女のことで、「妙諦信女(みょうたいしんにょ)」という戒名と似せてある[1]

出典

  1. ^ a b c 武藤禎夫 2007, pp. 87–89.
  2. ^ 東大落語会 1994, p. 107, 『お見立て』.
  3. ^ 柏木新『はなし家たちの戦争―禁演落語と国策落語』話の泉社、2010年、pp.10 - 12
  4. ^ 「低俗と五十三演題の上演禁止」『東京日日新聞』1940年9月21日(昭和ニュース事典編纂委員会『昭和ニュース事典第7巻 昭和14年-昭和16年』本編 毎日コミュニケーションズ、1994年、p.773に転載)

参考文献

関連項目


「お見立て」の例文・使い方・用例・文例

  • お見立てなさい
  • お見立てがお上手です
  • お見立てはどうです
  • 誰の作とお見立てですか
Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「お見立て」の関連用語

お見立てのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



お見立てのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのお見立て (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS