音楽・映画・美術
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/05 00:45 UTC 版)
「en:Basque music」も参照 バスク地方には生活に深く根付いたベルチョラリツァと呼ばれる伝統的な即興詩歌があり、競技大会や友人の集まりなど様々な場所で披露される。また、チストゥ(英語版)(3本穴の縦笛)、アルボカ(英語版)(牛の角笛)、チャラパルタ(木板の打楽器)、トリキティシャ(ボタン式アコーディオン)などの伝統的な楽器があり、結婚式や村祭りなどの祭事で演奏されてきた。1960年代にはミケル・ラボアなどがバスク語による新しいバスク音楽の創造を試み、1980年代半ばにはフェルミン・ムグルサなどが政治的主張も行うラディカル・ロックでスペイン国外にも進出し、1990年代以降には政治性を排したケパ・フンケラ(トリキティシャ)やオレカTX(チャラパルタ)などの伝統楽器奏者が国内外で高い評価を受けている。 バスク地方では無声映画の時代から、バスク語やカスティーリャ語で映画が製作されている。カスティーリャ語の映画では『タシオ』(1984年)、『バスク・ボール』(2003年)、『オババ』(2005年)など、バスク語の映画では『道を教えて、イシャベル』(2006年)、『80日間で』(2010年)などがある。バスク地方出身の映画監督にはフリオ・メデムやアレックス・デ・ラ・イグレシアなどがおり、メデムはバスク州の独立問題・テロ問題を扱った『バスク・ボール』で論争を巻き起こした。 バスク地方出身の芸術家にはホルヘ・オテイサやエドゥアルド・チリーダ(いずれも彫刻家)などがいる。いずれも抽象的・幾何学的・重厚な作風が特徴であり、両者はスペイン内戦後のスペイン彫刻の出発点をなすとされる。両者は1980年代後半に相次いでアストゥリアス皇太子賞を受賞しており、オテイサはサンパウロ・ビエンナーレ彫刻部門グランプリ、チリーダは高松宮殿下記念世界文化賞彫刻部門などを受賞して世界的にも評価されている。1997年にはビルバオにビルバオ・グッゲンハイム美術館が開館し、地域経済への投資の増加など大きな成功をおさめている。 伝統的なアルボカ トリキティシャ奏者 チャラパルタ奏者 チリーダの彫刻作品 ビルバオ・グッゲンハイム美術館
※この「音楽・映画・美術」の解説は、「バスク地方」の解説の一部です。
「音楽・映画・美術」を含む「バスク地方」の記事については、「バスク地方」の概要を参照ください。
- 音楽映画美術のページへのリンク