音楽への貢献
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/01 15:35 UTC 版)
エヴァンズは「イエロー・サブマリン」でのコーラスなど、レコーディングでも多くの貢献をした。エヴァンズは、「ユー・ウォント・シー・ミー」ではオルガンで単音を奏でている。マッカートニーの説明によれば、まずマッカートニーがエヴァンズにオルガンの鍵盤のどこを押すか示し、エヴァンズに弾いてほしい時にはうなずき、止めてほしい時は頭を横に振って合図を出したという。またエヴァンズは、「ビーイング・フォー・ザ・ベネフィット・オブ・ミスター・カイト」ではハーモニカを吹いている。 「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」では、元々は休みになっていた24小節の間、エヴァンズが小節をカウントし、小節終わりに目覚し時計を鳴らしたほか、曲の最後のコードを5台のピアノで一斉に鳴らす際のピアノ1台を担当した。「ディア・プルーデンス」ではタンバリン、「ヘルター・スケルター」ではトランペット を担当した。「ヘルター・スケルター」ではレノンと2人でトランペットのソロを吹いたが、2人ともトランペットは素人だった。「ユー・ノウ・マイ・ネーム」ではバックコーラスに加え、リズム楽器の代わりにバケツに入った砂利をかき混ぜた。また、『ザ・ビートルズ (アルバム)』の収録に漏れて未発表となった「ホワッツ・ザ・ニュー・メリー・ジェーン」にも参加しているほか、「マックスウェルズ・シルヴァー・ハンマー」では金床を、充分高くハンマーを持ち上げられず、きちんとした音を正しいタイミングで出せないリンゴ・スターの替りに叩いている。 エヴァンズの日記によれば、彼はアルバム『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』では曲作りも手伝ったことになっている。1967年1月27日の日記には、「サージェント・ペパー、ポールと彼の部屋の上階で曲作りを開始、彼がピアノを弾く。」さらに「"where the rain comes in" [『フィクシング・ア・ホール』の歌詞の一部]をかなり進めた。みんな気に入ってくれるといいのだが。」と書かれている。2月1日の日記には、「サージェント・ペパーはよいサウンドだ。ポールは曲の著作権料が僕にも入ると言った—素晴らしい知らせだ、そうなら多分新しい家を買えるかも。」、続く2日には、「キャプテン〔ママ〕・ペッパーで歌を録音。6人全員で中間部のコーラスをやった、深夜まで作業した。」と書かれている。 『THE BEATLES OFF THE RECORD ザ・ビートルズ非公式の真実』の著者、キース・バッドマン(Keith Badman)は、エヴァンズが死の直前に残した録音テープについて言及している。そのテープで、エヴァンズは日記に書かれた記述を何度も繰り返している。バッドマンによると、エヴァンズはある時、「レノン=マッカートニー」のクレジットは「大人気商品」であるため、エヴァンズの名前は作詞作曲者としてそこには連ねて記載されないが構わないか、と聞かれたという。いかなる理由かは不明だが、エヴァンズに著作権料が入ることはなく、受け取ったのは週給の38ポンドだけであった。
※この「音楽への貢献」の解説は、「マル・エヴァンズ」の解説の一部です。
「音楽への貢献」を含む「マル・エヴァンズ」の記事については、「マル・エヴァンズ」の概要を参照ください。
Weblioに収録されているすべての辞書から音楽への貢献を検索する場合は、下記のリンクをクリックしてください。
全ての辞書から音楽への貢献を検索
- 音楽への貢献のページへのリンク