韓国漫画企画展‐枯れない花
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「慰安婦問題 (アングレーム国際漫画祭)」の記事における「韓国漫画企画展‐枯れない花」の解説
2014年1月30日より行われた第41回アングレーム国際漫画祭では、第一次世界大戦100周年として「漫画、世界への見方」というテーマの企画展が行われた。このテーマは大人を対象に、戦争や政治風刺、女性への暴力と男女の不平等など、社会問題として重要なテーマを訴える趣旨とされている。 2013年11月25日、韓国漫画映像振興院(朝鮮語版)は「旧日本軍の慰安婦被害者韓国漫画企画展‐枯れない花」を開催することを表明。この企画展は、韓国女性家族部が過去・現在・未来をテーマに主催し、同院主管で行われる。韓国漫画家協会、韓国カートゥーン協会など関連団体が後援する。韓国人漫画家李賢世(朝鮮語版)、朴在東らが漫画約60点を展示し、関連映像4作も上映する企画であり、韓国漫画映像振興院は「慰安婦問題を広く知らせ、再び起こることがないよう世界で最も大きい漫画祭で企画展を開催することにした」と説明している。 漫画祭では、韓国の展示会場は市役所近くに設けられ、展示スペースの大半を使って従軍慰安婦をテーマにした漫画が展示された。漫画祭の初日には、フランク・ボンドゥ組織委員長、アングレーム市長が参加し、韓国女性家族部の趙允旋長官が「ホロコーストは多くの人が知っているが、従軍慰安婦は世界にあまり知られていない。漫画という媒体を通じ、この問題が広く伝わるよう望む」と話し、漫画祭主催者も「アーティストに表現の場を与えたもので、政治的性格は持たない」と主張する一方、「従軍慰安婦に関する議論が深まるのは良いことではないか」と歓迎した。 韓国漫画映像振興院によると、企画展の会場には4日間で17,000人を超える来場者が訪れた。展示作品には、旧日本軍の兵士が少女を拉致し慰安所に連行したり乱暴したりする内容が多くみられ、見学者のなかには、これらの表現を信じきっていた人もみられたという。一方で、「漫画祭を政治に利用しないでほしい」「漫画は楽しむもので議論するためのものではない」と批判の声も聞かれた。ブース入り口の説明には、日本が慰安婦問題を認めていないかのような記述もあったという。 フランスの日刊紙リベラシオンの記事「芸術かプロパガンダか? (De l'art ou de la propagande ?)」によれば、漫画祭組織委員長のフランク・ボンドゥは、韓国のブースの入口に掲示されたポスターの「私が証拠です (j’en suis la preuve)」との表記を問題視し、この部分に白い紙を貼って隠す処置をとった。当該表記は1行目の「枯れない花 (Fleurs qui ne se fanent pas)」という企画展名の次の2行目に書かれていたものであり、組織委員長は「予告されていなかったタイトルが追加されたものだ。(C’est un ajout de titre dont nous n’avions jamais été prévenus.)」と釈明し、「証言が証拠と言うのは論外だ。漫画祭が両者のうちのどちらかによって道具にされるのは問題外だ。(Il n’est pas question de prétendre que ces témoignages seraient des preuves, et il est hors de question que le festival soit instrumentalisé par un parti ou un autre.)」と語った。
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