韓国漁船の悪質化と日本側の対応
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/24 14:05 UTC 版)
「日韓漁業協定」の記事における「韓国漁船の悪質化と日本側の対応」の解説
上記のような暫定水域の資源の枯渇等を理由に、日本のEEZでは韓国漁船による違法操業があとを絶たず、日本の水産庁の取り締まりで押収された韓国の違法漁具は、2009年までの9年間だけでも、刺し網が1,095km分、かごが約11万1千個に上っている。それ以外にも海底清掃による回収で、2007年までの8年間で刺し網4,535kg分、かご約30万個を回収している。 これら日本の水産庁や海上保安庁の取り締まりに対し、韓国漁船は、レーダーマストを高い位置に取り付けて遠方から取締船を発見できるようにしたり、逃亡を容易にするための高速化を図るほか、固定式漁具の位置を示すブイをつけずに漁をおこなうこともある。また、ブイをつけないことで韓国の密猟者が漁具の回収に失敗することもあり、放置された漁具がゴーストフィッシングをより深刻化させている。 日本の水産庁や漁協は、官民を上げて韓国側の担当機関や漁協に事態を是正するよう申し入れをしているが、韓国側はこれを無視し続けている。そのため漁民の間では、これら韓国漁船による無法行為の原因となった日韓漁業協定の不平等な運営への批判がある。韓国側も、漁獲高が減少するタチウオの漁獲量を制限することや、違法操業の証拠となる衛星利用測位システムによる航跡記録保存装置の設置の義務付けなどを求めてくる日本に反発した。こうした状況の下、2014年6月に第15回漁業共同委員会が東京で開催された。その結果、両国漁船団は6月末までに自国海域に引き揚げることとなった。 2015年1月9日、日本と韓国はソウルにおいて第16回漁業共同委員会を開いた。その結果、2014年漁期(2015年6月30日までの1年間)と2015年漁期(2016年6月30日までの1年間)に関して、相手側のEEZ内で操業すること、およびその条件について合意した。この協定は2015年1月20日に発効した。
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