震災発生・壁新聞
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/04 02:42 UTC 版)
2011年3月11日に発生した東日本大震災では、停電と津波により社屋が浸水し、輪転機が水没したが、濡水しなかった新聞ロール紙に、懐中電灯で照らしながらマジックペンで書き込んだ「号外」壁新聞を、3月12-17日の6日間、市内の避難所6箇所に張り出し、ライフラインの復旧状況や避難所での生活関連情報を伝えた。3月18日付けの新聞からは市販の複合機プリンターを使って印刷を再開。そして3月20日付けから水没を逃れた古い輪転機を使い1枚(2頁)刷りの紙面での発行を再開し、避難所の市民に配るようにした。こうして震災直後から1日も休刊せず発行を続けている。 これらの壁新聞発行を、2011年3月22日にワシントン・ポストが報じ 、ニュース・ジャーナリズム博物館ニュージアムが7枚を永久保存する。また国際新聞編集者協会はこの新聞発行について石巻日日新聞に特別褒賞を授与した。さらに、「東日本大震災で困難に直面しながら、地元新聞社としての役割と責務を果たした」として、2011年に第59回菊池寛賞を受賞。 そして、震災から1年が経った2012年3月には、フランスの月刊日本情報誌ズーム・ジャポンおよびパリの日本文化施設エスパス・ジャポンの企画により、フランス国立ギメ東洋美術館が「使命」と題した壁新聞展を開催。同時に、ズーム・ジャポン誌は石巻日日新聞社へのオマージュとして、同年3月号に壁新聞を特集した別冊小冊子を日仏の二カ国語で発行。フランス国内で10万部を無料配布。この小冊子には、近江社長を始めとした石巻日日新聞記者ら、そして池澤夏樹、岩崎貞明、鎌田慧、港千尋、そして内田樹の5氏が執筆協力した。
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