電話_(電波型式)とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > 電話_(電波型式)の意味・解説 

電話 (電波型式)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/10/15 01:35 UTC 版)

電話(でんわ)は電波型式のひとつで、電波声・音楽のような音響信号で変調したものである。

電話用の送信機に、モデムで音響信号に変換したデジタルデータやファクシミリ信号などを入力した場合は、電波法上はそれぞれの電波型式とみなされる。

ナローバンド

ナローバンドは、0.3~3.1または3.4kHzの音響信号を伝送できるものである。会話のための音声伝送として、移動体通信電話網多重伝送・業務無線などに用いられている。無線局の増加・多チャネル化対応のため、周波数帯域幅の縮小・デジタル変調化が行われてきている。

振幅変調

振幅変調(AM)は、占有周波数帯域が狭いため、低い周波数で用いられている。 航空無線機においては、欧州を中心に25kHzから8.33kHz(25kHzを3等分)への狭帯域化が進められている。

振幅変調の種類と用途
日本語 英語 周波数帯 用途 特徴
単側波帯 SSB: Single Sideband MW SW 船舶航空機向けの洋上通信 最も狭帯域
両側波帯 DSB: Double Sideband VHF 民間航空機 複数の無線局が存在する場合に、緊急時の割り込み通信が可能
UHF 軍用機
実数零点単側波帯 RZ SSB: Real Zero - VHF UHF 放送事業用連絡無線の標準の一つ 狭帯域でデジタル変調と比較して遅延時間が少ない

周波数変調

周波数変調(FM)は、超短波極超短波において、アマチュア無線、業務無線、コードレス電話などに用いられている。

狭帯域化をナロー化ということがある。移行期間において、ナロー化システムとワイドシステムの共存をはかるために、送信のみナローで受信はワイドと言う無線機で運用されることがあり、擬似ナローと呼ばれる。なお、かつて存在したアナログ携帯電話(大容量方式)のチャネルステップは6.25kHzであったが、これは12.5kHz仕様のままでチャネルステップのみとしたものであり、この場合はナローとは呼ばずインターリーブと呼ぶ。

日本におけるチャネル間隔縮小の歴史

デジタル変調

デジタル変調は、超短波極超短波において、携帯電話PHS衛星電話などの移動体通信業務無線に用いられている。秘話性の向上やデータ通信の高速化を可能にする効果がある。2002年頃から、12.5kHzの次のナロー化である6.25kHzがデジタル方式(ARIB STD-T61)により進められている。

狭帯域デジタル変調の例
搬送波間隔(kHz) ロールオフ率 変調方式 チャネル当たり伝送速度(kb/s) 多重数 通信方式 用途
6.25 0.2 π/4 QPSK 9.6 1 半複信 業務無線
6.25 0.2 M16 QAM 8 1×2 TDD
15 0.2 M16 QAM 7.5 6 TDMA-TDD 市町村防災行政無線(同報・固定系)
25 0.5 π/4 QPSK 8 4 TDMA 第三者無線(800MHz)
25 0.5 M16 QAM 8 6 TDMA 第三者無線(1.5GHz)

ワイドバンド

ワイドバンドは、音楽放送など広帯域の音響信号を伝送できるものである。

AMラジオ放送では0.3~7kHz、FMラジオ放送では0.05~15kHzの帯域が伝送可能である。デジタル放送では、さらに広帯域のものも存在する。

狭帯域専用の受信機で広帯域AMの低域部分の受信可能であるが、狭帯域FM専用の受信機で広帯域FMを受信すると音声のひずみが大きく実用にならない。これは、広帯域FMの場合、周波数偏移も非常に大きいのが普通であるため、IFフィルタやディスクリミネータが周波数軸上で飽和するためである。仮に、最大周波数偏移を狭帯域FMと同等とすれば、問題なく受信可能である。

日本では、FM補完中継局に対応するものを、ワイドFM受信機という場合があるが、この「ワイド」は従来の狭い範囲(超短波放送、76MHzから90MHzまで)に対する拡張という意味があり、本節のワイドバンドとは全く異なる。

脚注

関連項目

外部リンク



「電話 (電波型式)」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「電話_(電波型式)」の関連用語

電話_(電波型式)のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



電話_(電波型式)のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの電話 (電波型式) (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS