電波三法とマイクロ波
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/07 01:24 UTC 版)
「正力マイクロ波事件」の記事における「電波三法とマイクロ波」の解説
電波三法は太平洋戦争前の電波の政府管掌の反省の上にたち、電波を民間に開放し公共福祉のための規制をつくる事を目的とする。具体的には、同一の周波数帯域利用での混信を防ぎ、社会的には電波の独占が生じないように規制する事である。また、社団法人から特殊法人へ衣替えした日本放送協会(NHK)は、日本全国で受信できるように放送する事を使命とする自治機関へ再生した。官庁から独立したスタンスで電波監理されるように、電波法・放送法の実体法とともに電波監理委員会設置法が施行され、委員会行政が敷かれる。総理府の外局だが、委員会のメンバーは国会の同意を得て内閣総理大臣が任命する事により、独立性と透明性を保つ事とした。極端に言えば立法(規則制定権)、司法(聴聞)と三権を束ねる強力な権限を持っていた存在だが、現実には2年で廃止(詳細は後述)。この時点では「放送における表現の自由が守られ健全な発展を遂げる事」が希求されていた。 マイクロ波とは電波の一種である。波長が短く強い指向性をもつため搬送できる情報が多く、アンテナや消費電力が小さくすむ利点を持つが、送信距離が短く障害物に弱い。1940年代後半よりレーダー研究から離れた人材が各国で研究を進め、通信分野においては同軸ケーブルとともに長距離伝送路としての役割を担っていくが施設設置に時間がかからず、初期投資が抑えられる点がメリットである。アメリカではAT&Tが大陸横断のテレビ中継システムを完成させ、州際通信と国際通信を規制するFCCによる、1959年の周波数帯域の自由化(above 890)まで独占体制を築くことになる。通信・放送分野で中継効果を得るためには、例えば生駒山と霊山のような見通しの良い場所同士の頂上に受信用また送信用パラボラアンテナと中継器を設置して、山頂と山頂を電波で繋ぐマウンテン・トップ方式が採用された。
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