降水量・雲量
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/04 08:40 UTC 版)
沖縄県は5月中旬から6月下旬までの梅雨時期(沖縄気象台によると1981年から2010年にかけての梅雨入りの平年値は5月9日、梅雨明けは6月23日とされる。)と7月から10月にかけての台風接近期の降水量が多く、年間降水量の約60%を占める。インドシナ半島からのモンスーンが南西諸島付近に到達、北の冷たい気団との接触に伴い積乱雲の発生頻度を高め、南西諸島の南方で梅雨前線が形成し始める。さらに低気圧の発生により、暖湿流が加わり南西諸島に大雨をもたらす。しかし、南西諸島が位置する北緯20 - 30度は中緯度高圧帯が存在し、砂漠など乾燥した地域が多い。高圧帯の位置と勢力は時期によって変動する為、南西諸島は少雨による干ばつや渇水に見舞われることもある。実際に沖縄県は1963年の大干ばつ、1981年7月から約1年間の渇水による給水制限(昭和56-57年沖縄渇水を参照)を経験している。 南西諸島において、降雪は最北の大隅諸島までに限られる。1977年2月17日に気象庁は沖縄県内で初めて降雪を久米島で観測したが、これは「みぞれ」であり、俗にいう「雪」の公式記録ではない。2016年1月24日、奄美大島で1901年2月12日以来の雪を、また久米島で2度目の、沖縄島では初のみぞれを観測した。 12月から梅雨明けの6月下旬までの那覇の全雲量は70 - 80%と、非常に曇りの多い日が続きやすい。冬季の12月頃から、大陸の乾燥した寒気が水温が比較的高い東シナ海を通過する際に筋状積雲の発生により雲量が大きくなる。2月から3月の春にかけて、暖気が前線を北へ押し上げ、東シナ海では低気圧(東シナ海低気圧)が生じやすく、本州太平洋側に降雪をもたらす。また4月の日本全域では低気圧の通過に伴い、停滞前線が発生し「菜種梅雨」と呼ばれる長雨が降るが、南西諸島では移動性高気圧も通過する為、晴天になる日もある。5月に入ると、日本本土はいわゆる「五月晴れ」が続くが、南西諸島近海では梅雨前線が形成し始める。そして梅雨が明けた7月は1年で最も安定した晴天日が続き、高温乾燥の激しい少雨時期となる。
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