関連する伝説
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/26 04:31 UTC 版)
イエスの脇腹を突き刺した兵士の名はロンギヌスであると伝えられ、その槍はロンギヌスの槍として有名であるが、いずれも福音書には直接的な記述は無い。ロンギヌスはイエスの死の確認の際に血が目に入り、白内障が治ったとも伝えられる。新約聖書外典のニコデモ福音書第16章には下記のように記述されている。 にがりをまぜた酢をのませられ、ロンギノスという名の兵隊がイエスの脇腹を槍で突きさした。 イエスと共に十字架に磔にされた2人の男の名は、デュスマスとゲスタス(英語版)と呼ばれる罪人である。ニコデモ福音書第10章には下記のように記述されている。 一緒に十字架につけられた悪党の一人が悪態をついてイエスに言った、「もしもお前がキリストならば、自分で自分を救い、また俺達を救ってくれればいいだろう。」デュスマスという名の男の方が相手を叱って言った、「お前は同じ刑を受けていながら、神を恐れることをしないのか。俺達には当然のことさ。俺達は自分のやったことにふさわしい罰を受けているのだからな。しかしこの方は何の悪いこともしておいでではないのだぞ。」そして言った、「主よ、汝の御国にて私を思い出して下さいますように。」イエスは彼に言った、「まことにまことに汝に告ぐ、今日汝は我と共に天国にいるであろう。」 同じ場面の記述が同書第26章にもある。 このように彼らが話していると、そこに、もう一人、肩に十字架を背負った卑しい人が来た。この人に聖なる父祖達は言った、「あなたは強盗のように見えますが、それに肩に十字架をかついでおいでですが、いったいどなたですか。」その人が答えるには、「あなた方がおっしゃるように、私は世の中にいた時は強盗、盗人でした。それでユダヤ人達は私をつかまえ、十字架の死刑に処したのですが、それはちょうど私達の主イエス・キリスト様と同時でした。主が十字架にかけられ給うた時に、いろいろな奇跡がおこり、それを見て私は信じました。私はキリスト様に呼びかけて言いました、主よ、あなたが王として支配なさる時、どうぞ私のことをお忘れにならないで下さい、と。するとすぐに主は返事をして下さり、まことにまことに汝に言う、今日すでに汝は我と共に天国にいるであろう、と言われたのです。それで私は自分の十字架をかついで天国に来たのですが、そこで大天使ミカエル様にお会いしましたので、申しました。十字架につけられた私達の主イエス様が私をここにつかわし給うたのです。ですからエデンの園の門の中に私を入れて下さい、と。すると(入り口にある)燃えている剣が、十字架の徴を見て、開き、私は入ることができました。そうして、大天使様か私におっしゃいました、しばらく待っているがよい、人類の始祖であるアダムが義人達と共に来て、彼らもまた中にはいって来るから、と。というわけで今、あなた方をお見受けしたので、お迎えに参ったところです。これらのことを聞いて聖者達はみな大声で叫んで言った、「我らの主キリストは偉大なるかな。その御力は偉大なるかな。」
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