琴に関連する伝説
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/05 06:03 UTC 版)
常陸国住人に琴御館宇志丸(ことのみたち うしまる)というものがおり、ひとりでに鳴る琴を所有しており、敵対勢力が来ると音を鳴らし、宇志丸に教えたため、事前に兵を集められ、徹底して防戦ができ、戦に負けることがなかった。このため、敵側は偽りの和睦を結び、宇志丸の娘を嫁とするが、その嫁を用いて、秘密裏に琴の弦を切らせた。これにより宇志丸は敵兵が進軍しても気づかず、琴の弦が切られたことに気づいた時には、敗戦し、常勝を重ねることはなくなり、敗戦を重ねた結果、近江国滋賀郡に流浪して着き、日吉神人(神主)の祖先となった。 この説話は『続群書類従』所収「耀天記」に記述されたもので、ベトナムに伝わる伝説と類型が指摘されているが、「霊的な琴」といったように、日本風に(神道観で)アレンジされており、日本文化における琴の信仰観(中世以降も重要だったこと)がわかる伝説である。
※この「琴に関連する伝説」の解説は、「琴」の解説の一部です。
「琴に関連する伝説」を含む「琴」の記事については、「琴」の概要を参照ください。
- 琴に関連する伝説のページへのリンク