長原幸太とは? わかりやすく解説

長原幸太

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/10 06:22 UTC 版)

長原 幸太
生誕 (1981-02-08) 1981年2月8日(44歳)
出身地 日本 広島県呉市
学歴 東京芸術大学
ジャンル クラシック音楽
職業 ヴァイオリニスト
担当楽器 ヴァイオリン
公式サイト 長原幸太オフィシャルサイト
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長原 幸太(ながはら こうた、1981年昭和56年〉2月8日[1][2] - )は、日本のヴァイオリニストNHK交響楽団第1コンサートマスター[3]

略歴

1981年(昭和56年)2月8日、広島県呉市で生誕。5歳よりヴァイオリンを始める。1993年(平成5年)、私立安田小学校を卒業。

12歳で東京交響楽団と共演。小学6年生、中学1年生と連続して全日本学生音楽コンクールで全国第1位となる。1994年(平成6年)、13歳の時に第6回・リピンスキ・ヴィエニヤフスキ国際コンクールにおいて17歳以下の部で第3位となる。1993年(平成5年)に広島市長賞の「ひろしまフェニックス賞」、1994年(平成6年)に広島県教育長賞の「メイプル賞」を受賞。1996年(平成8年)、広島学院中学校を卒業。

サイトウ・キネン・フェスティバル松本に合わせ合宿を行う「若い人のためのサイトウ・キネン室内楽勉強会」には、1996年(平成8年)の第1回から1998年(平成10年)の第3回まで参加し、第2回には小澤征爾の指揮の下でコンサートマスターソリストを務め、サイトウ・キネン・オーケストラにも最年少で参加。

1999年(平成11年)、東京芸術大学音楽学部附属音楽高等学校を卒業後、東京芸術大学の音楽学部に入学。在学中、広島国際文化財団の奨学金制度「ヒロシマスカラシップ」の1998年(平成10年)度で全額の援助を受け、ジュリアード音楽院へ留学。1998年(平成10年)、17歳で第67回・日本音楽コンクールに最年少で優勝し、同時にレウカディア賞、鷲見賞、黒柳賞も受賞。卒業時には、音楽学部在学中に最高得点を取得した学生に贈られる福島賞も受賞。

国内の主要オーケストラとも共演し岩城宏之秋山和慶ゲルハルト・ボッセルドルフ・バルシャイ等、多くの名指揮者と共演。また、別府アルゲリッチ音楽祭宮崎国際音楽祭霧島国際音楽祭木津川やまなみ国際音楽祭など各地の音楽祭に出演。

海外では、アスペン音楽祭湖水地方サマー・ミュージック(英語: Lake District Summer Music、ライディール・フェスティバル(英語: Ryedale Festival[注釈 1]、香港国際音楽祭(繁体字: 香港國際音樂節英語: Hong Kong International Music Festival )等、多くの音楽祭に招かれ、リサイタル、コンチェルト、室内楽コンサートに出演し、高い評価を得た。ハノーファー北ドイツ放送フィルハーモニー管弦楽団にソリストやゲストコンサートマスターとして招かれる。

1995年(平成7年)、五嶋みどりレクチャーコンサートで奨励賞を受賞し、ニューヨークに招待され五嶋のレッスンを受ける。1998年(平成10年)、駒井家住宅でのサロンコンサート「阿川佐和子の駒井邸で会いたい」に出演。2000年(平成12年)、第10回・広島ホームテレビ文化・スポーツ賞を最年少で受賞。

2004年(平成16年)9月から2006年(平成18年)3月まで大阪フィルハーモニー交響楽団首席客演コンサートマスター、4月から2012年(平成24年)3月まで首席コンサートマスターを務める。2004年(平成16年)から開催され小島秀夫が音楽監督を務めるHIROSHIMA MUSIC FESTIVALでは、子供のためのヴァイオリンコンサートや公開レッスンの講師などで参加。

2006年(平成18年)に大阪市の第24回・咲くやこの花賞を、2007年(平成19年)に第2回・広島文化賞新人賞を[4]、2011年(平成23年)に第21回・日本製鉄音楽賞フレッシュアーティスト賞を受賞。2013年(平成25年)9月21日、リサイタルのライブ録音のCD「長原幸太ヴァイオリンリサイタル2013」を発売。

2013年(平成25年)、チェロ奏者の中木健二ヴィオラ奏者の鈴木康浩と共にアンサンブル天下統一を結成。弦楽三重奏を基本としてゲスト奏者を迎え、岡崎市シビックセンター コンサートホール コロネットを拠点に活動し、募集した受講生に3名が直接指導をして一緒に演奏する「アンサンブル・アカデミー マスタークラス」も不定期で開催しており、2023年(令和5年)度岡崎市教育功績者として表彰を受ける[5]

2014年(平成26年)10月1日から2024年(令和6年)9月30日まで、読売日本交響楽団のコンサートマスター[注釈 2]を務める[1]

2015年(平成27年)、第21回・エネルギア音楽賞を受賞[7]。2016年(平成28年)、東京・春・音楽祭でのリッカルド・ムーティの指揮による演奏、同年のラヴェンナ芸術祭(英語: Ravenna Festivalでのリッカルド・ムーティの指揮による日伊国交樹立150周年記念オーケストラなどのコンサートマスターも務める。

2025年(令和7年)4月1日から、NHK交響楽団第1コンサートマスターを務める[3]

村上直子、小栗まち絵工藤千博澤和樹ロバート・マンの各氏に師事。ソリスト、室内楽奏者として国内外で活躍。東京芸術大学、及び相愛大学洗足学園音楽大学の非常勤講師、各種セミナーの講師を務める等、後進の指導も行っている。

被爆60年平和への祈り[注釈 3]、あしなが、盲導犬育成などのチャリティーコンサートを主宰出演し、音楽を通じてのボランティア活動にも積極的に力を注いでいる。音楽の友、サラサーテ、MOSTLY CLASSICハーパーズ バザー、広島経済レポート、見て☆くれ等、音楽雑誌を含めた雑誌、新聞等の特集記事やインタビュー記事も多数に上り、聖パウロ女子修道会発行「あけぼの」からは執筆依頼を受け、平和へのメッセージが掲載される。

年齢も近く、お互いに霧島国際音楽祭のマスタークラス受講生でもあった佐久間聡一とは、佐久間が長原の物真似を披露するなど公私ともに仲が良く、共演回数も多い[8][9][10]

受賞歴

作品

アルバム

他にも、のだめオーケストラ大阪フィルハーモニー交響楽団のコンサートマスターとしての作品が多数存在する。

出演

テレビ番組

ラジオ番組

脚注

注釈

  1. ^ イギリスの音楽祭。
  2. ^ 読売日本交響楽団の常任のコンサートマスター内での序列は無い[6]
  3. ^ 2005年(平成17年)に実施。
  4. ^ 17歳[12]、最年少[1][12]
  5. ^ 別府アルゲリッチ音楽祭2002での収録。
  6. ^ 上巻。
  7. ^ 下巻。
  8. ^ NHK大阪ホールでの2004年(平成16年)6月15日の収録。
  9. ^ 長原が企画し出演する平和への祈りコンサートの取材。
  10. ^ 2006年(平成18年)4月29日の西の丸庭園"星空コンサート"。関西地区での放送。
  11. ^ a b 大阪フィルハーモニー交響楽団のザ・シンフォニーホールでの2008年(平成20年)2月14日の収録。
  12. ^ 金曜日コーナー「きわもん」での長原の取材。関西地区での放送。
  13. ^ 「若き名手たちによる室内楽の極」
  14. ^ 2011年(平成23年)3月26日の東京文化会館小ホールでの収録。
  15. ^ 放送地域は大阪府、京都府、兵庫県、和歌山県、奈良県、滋賀県の近畿地区。
  16. ^ 霧島国際音楽祭の特集。
  17. ^ 「ぶち広島人」のコーナー。広島県全域と、岡山県、山口県、島根県、愛媛の一部で放送。

出典

  1. ^ a b c d e f 2014年10月 長原幸太氏がコンサートマスターに就任”. 読売日本交響楽団. 2020年1月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年1月7日閲覧。
  2. ^ NHK交響楽団 [@NHKSO_Tokyo]「N響 2月定期公演 Aプログラム」2025年2月8日。X(旧Twitter)より2025年6月21日閲覧。
  3. ^ a b 新入団のお知らせ”. NHK交響楽団 (2025年4月1日). 2025年4月2日閲覧。
  4. ^ 第2回広島文化賞新人賞”. ひろしま文化振興財団 (2007年8月). 2025年6月21日閲覧。
  5. ^ アンサンブル天下統一2025 | プロフィール”. 岡崎市シビックセンター. 2025年6月22日閲覧。
  6. ^ 読響について - メンバー”. 読売日本交響楽団. 2020年1月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年1月7日閲覧。
  7. ^ これまでのエネルギア賞受賞者一覧” (PDF). エネルギア文化・スポーツ財団. 2025年6月21日閲覧。
  8. ^ 長原幸太『長原幸太&佐久間聡一 無観客ライブ 2020年3月23日』2020年3月23日。YouTubeより2025年6月22日閲覧。
  9. ^ 長原幸太『幸太の部屋 vol.5【幸太の本性 イタズラ特集 PART1】』2020年5月17日。YouTubeより2025年6月22日閲覧。
  10. ^ 佐久間聡一【長原幸太さんのモノマネ ご本人登場!】バイオリンの巨匠、長原幸太さんと佐久間聡一 ドッペルモノマネ(その日の本番後の打ち上げ)』2023年6月21日。YouTubeより2025年6月22日閲覧。
  11. ^ a b 入賞者一覧 第41~50回”. 全日本学生音楽コンクール. 毎日新聞社. 2025年6月21日閲覧。
  12. ^ a b c 長原幸太”. KONTA Inc.. 株式会社 今田 (2014年6月23日). 2019年1月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年1月7日閲覧。
  13. ^ これまでの受賞者”. 咲くやこの花賞. 2025年6月21日閲覧。
  14. ^ 3人のコンサートマスター」『クラシックTV』2022年3月10日。NHK、NHK BSプレミアム。2025年6月21日閲覧
  15. ^ 「鈴木愛理presents『青のオーケストラ』コラボ第2弾」」『クラシックTV』2023年8月24日。NHK、NHK Eテレ。2025年6月21日閲覧
  16. ^ 再発見!ニッポン(3)~尺八にみる日本の美学」『題名のない音楽会』2014年5月18日。テレビ朝日。2025年6月21日閲覧
  17. ^ 広島テレビ放送読売日本交響楽団】広島出身 バイオリニストの思い』2022年8月2日。YouTubeより2025年6月22日閲覧。
  18. ^ キリシマ祝祭管弦楽団 東京特別公演」『クラシック音楽館』2025年5月18日。NHK、NHK Eテレ。2025年6月21日閲覧
  19. ^ N響 第2030回定期公演」『クラシック音楽館』2025年5月18日。NHK、NHK Eテレ。2025年6月21日閲覧
  20. ^ 放送100年 N響 大河ドラマコンサート”. NHK (2025年5月4日). 2025年6月21日閲覧。

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