金融政策と塩専売制度とは? わかりやすく解説

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金融政策と塩専売制度

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/23 14:08 UTC 版)

元 (王朝)」の記事における「金融政策と塩専売制度」の解説

中国では北宋代には会子呼ばれる紙幣流通しており、モンゴル帝国も、オゴデイ時代には既に金や南宋使われていた紙幣取り入れ帝国内で使用する事が出来交鈔こうしょう、あるいは単に鈔とも)と呼ばれる紙幣流通させていた。元ではクビライ即位した1260年中統元宝交鈔通称中統鈔)と言う交鈔発行した会子など旧来の紙幣発行されてから通貨としての価値無効になるまでの期間が限定されており、紙幣はあくまで補助通貨としての役割しか持たなかったが、モンゴル初め通貨としての紙幣本格的に流通させた。 交鈔金銀との兌換交換)が保障されており、包銀支払い交鈔で行うことができるようにして、元は紙幣流通押し進めた。しかし、交鈔増刷連年進められ、特に南宋併合した後に江南流通させるために大増刷するが、これにより紙幣流通に対して金銀兌換準備不足し価値下がった。 これに対して1287年中統鈔の五倍の価値に当たる至元通行宝鈔(通称至元鈔)を発行し併せてだぶついた紙幣回収行い紙幣価値比較安定向かった。それでも、絶え紙幣増刷が行われたために紙幣価値の下落避けられなかったが、元では塩の専売制紙幣価値安定寄与させてこれを解決した生活必需品である塩は、専売制によって政府によって独占販売されるが、政府紙幣正貨としているため、紙幣なければ塩を購入することはできない。しかし、これは視点変えれば、紙幣政府によって塩との交換保障されているということである。しかもごく少な採掘額を除けば絶対量増加がほとんど起こらない金銀対し消費財である塩は常に生産されつづけるから、塩の販売という形で紙幣の塩への「兌換」をいくら行っても政府兌換準備額は減少しない。こうして、専売制とそれによる政府莫大な歳入額を保障として紙幣信用保たれ金銀への兌換準備不足して紙幣価値の下落進みにくい構造保たれのである。 さらに塩の専売制はそれ自体金融政策として機能した元に限らず中国では、政府製塩所生産された塩を民間商人購入するには、塩引呼ばれる政府販売する引換券が必要とされたが、塩引は塩と交換されることが保障されているために、紙幣代用に使うことができた。元はこれを発展させ、宋では銭貨によって販売されていた塩引を、銀・交鈔によって販売した。こうして塩引国際通貨である銀と交換される価値獲得し、しかも一枚額面額が高いために商業高額決済便利な高額通貨ともなった

※この「金融政策と塩専売制度」の解説は、「元 (王朝)」の解説の一部です。
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