選定経緯
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/15 08:31 UTC 版)
「県下名勝史蹟四十五佳選」の記事における「選定経緯」の解説
『横浜貿易新報』は「隠れたる勝地讃ふべき史蹟を再検討して広く之を世に出す」ことを名勝史蹟投票の事業目的として掲げた。さらに、「その名勝史蹟による土地の発展は著しいものがある」ため、「欲求するものは『世に出す機会』である」」としている。 読者による投票は1935年9月5日から10月5日まで行われた。その間、毎日2票の投票用紙が『横浜貿易新報』の紙面に掲載されたが、官製はがきによる投票も可とされた。投票開始翌日の9月6日からは、各地の「抜きつ抜かれつ」の得票数が連日報じられ、投票を盛り上げた。 得票経過を報じる記事には、「宣戦の烽火挙り」「戦機全く熟して」「戦線に灼熱の火花」「奮迅の一斉猛射に」「戦線に歓声漲る」「戦闘旗を打連ねて」「戦線に赤色信号」「全線にわたる大進軍」「旗鼓堂々と進軍」「爆撃の機今や来る 各陣営に突撃喇叭」「全戦線に妖雲漲る」「死闘力戦の一日」など、戦況報道のようなセンセーショナルな見出しが付けられ、読者の関心を引いて投票へと駆り立てた。 また、各地での組織的な投票についても報じられ、戸塚桜堤保勝会津久井城山史蹟保存会、旅小屋連合青年会、八景の棚保勝会、湯河原振興会、軍港観光協会、子育地蔵講(浅間町)、横浜小出会、宮ヶ瀬青年団などの団体名が挙げられたほか、投票を期に各地に当選期成会や保勝会が結成され活動していることが伝えられている。麻溝村では臨時の村会が招集され、宮ヶ瀬村では全村での『横浜貿易新報』紙購読が決議された。 投票開始の翌日から結果発表までに『横浜貿易新報』に掲載された名勝史蹟のうち、上位の5位までの推移は以下の通り。 日付1位2位3位4位5位9月6日震生湖 桃雲台 八聖殿 衣笠城趾 遊行寺 9月7日宝泉寺 三眼六足稲荷 本牧神社 三ツ池 震生湖 9月8日三眼六足稲荷 宝泉寺 宮ヶ瀬渓谷 本牧神社 三ツ池 9月9日宝泉寺 広沢寺温泉 三眼六足稲荷 宮ヶ瀬渓谷 本牧神社 9月10日三眼六足稲荷 広沢寺温泉 宝泉寺 本牧神社 国歌君ヶ代発祥地 9月11日宝泉寺 三眼六足稲荷 広沢寺温泉 本牧神社 国歌君ヶ代発祥地 9月12日八景ノ棚 八菅神社 広沢寺温泉 三眼六足稲荷 宝泉寺 9月13日三眼六足稲荷 八景ノ棚 八菅神社 宝泉寺 広沢寺温泉 9月14日石小屋 三眼六足稲荷 宮ヶ瀬渓谷 綱島温泉桃雲台 八菅神社 9月15日八菅神社 石小屋 三眼六足稲荷 宮ヶ瀬渓谷 綱島温泉桃雲台 9月16日三眼六足稲荷 八菅神社 峰の灸円海山 石小屋 玉泉寺 9月17日峰の灸円海山 三眼六足稲荷 八菅神社 石小屋 玉泉寺 9月18日峰の灸円海山 三眼六足稲荷 八菅神社 石小屋 玉泉寺 9月19日峰の灸円海山 石小屋 三眼六足稲荷 八菅神社 玉泉寺 9月20日石小屋 峰の灸円海山 三眼六足稲荷 八菅神社 玉泉寺 9月21日八菅神社 石小屋 峰の灸円海山 三眼六足稲荷 志田山朝日寺 9月22日八菅神社 石小屋 峰の灸円海山 三眼六足稲荷 志田山朝日寺 9月23日八菅神社 峰の灸円海山 石小屋 三眼六足稲荷 志田山朝日寺 9月24日八菅神社 峰の灸円海山 石小屋 三眼六足稲荷 柏山稲荷神社 9月25日八菅神社 重国城趾天満宮 峰の灸円海山 石小屋 三眼六足稲荷 9月26日八菅神社 重国城趾天満宮 峰の灸円海山 石小屋 三眼六足稲荷 9月27日八菅神社 志田山朝日寺 重国城趾天満宮 峰の灸円海山 城山城趾 9月28日八菅神社 志田山朝日寺 峰の灸円海山 重国城趾天満宮 三眼六足稲荷 9月29日八菅神社 志田山朝日寺 浅間神社 峰の灸円海山 重国城趾天満宮 9月30日宮ヶ瀬渓谷 八菅神社 道了尊御本地 峰の灸円海山 志田山朝日寺 10月1日浅間神社 石小屋 道了尊御本地 宮ヶ瀬渓谷 八菅神社 10月2日石小屋 浅間神社 玉泉寺 宮ヶ瀬渓谷 道了尊御本地 10月3日石老山 石小屋 玉泉寺 峰の灸円海山 浅間神社 10月4日石小屋 妙香寺 石老山 玉泉寺 称名寺百観音 10月5日石小屋 石老山 妙香寺 宮ヶ瀬渓谷 ペルリ上陸記念碑 10月7日石小屋 妙香寺 峰の灸 玉泉寺 八菅神社
※この「選定経緯」の解説は、「県下名勝史蹟四十五佳選」の解説の一部です。
「選定経緯」を含む「県下名勝史蹟四十五佳選」の記事については、「県下名勝史蹟四十五佳選」の概要を参照ください。
- 選定経緯のページへのリンク